2026年10月15日製品リリース研究開発リリース

生成AIを活用し製造現場の知見を組織知化

-音声データ活用による技術伝承と改善活動の高度化を推進-

AGC(AGC株式会社、本社:東京、代表取締役社長:平井良典)は、製造現場における作業ログ収集の効率化に向けて、株式会社シーイーシー(本社:東京、代表取締役社長:姫野貴)と音声認識を活用したデータ収集システム「SmartLogger® Voice」を共同開発しました。
AGCは、本システムで収集した音声データに対し、文字化や生成AIによる構造化・分析技術を組み合わせることで、製造現場で生まれるノウハウや判断情報のデジタル資産化を実現しました。
製造現場での実証では、作業分析や技術伝承資料作成の工数削減に加え、熟練者の経験や判断基準といった暗黙知を組織知として蓄積できることを確認しました。さらに、現場の情報を迅速に整理・共有することで、データに基づく意思決定の高度化にもつながっています。

SmartLogger® Voice 概念図

製造業では、生産性向上や人材不足への対応に加え、熟練者が長年培ってきた知識や経験を次世代へ継承することが重要な課題となっています。一方で、こうしたノウハウの多くは作業中の会話や発話の中に存在するため、十分に記録されず、活用されないまま埋もれてしまうケースも少なくありませんでした。AGCでは、本システムを活用することで、現場で生まれる知見を継続的に蓄積し、活用可能なデジタル資産として管理できるようになりました。
今後は、安全活動や設備保全、ナレッジマネジメントなどへの展開を進め、現場で生まれる知見のデジタル資産化を加速することで、価値創造DXを推進していきます。

AGCグループは、中期経営計画 AGC plus-2026 において、「価値創造DXの推進」を主要戦略の一つに位置付けています。モノづくりで培ってきた知見とデジタル技術を融合し、生産性向上だけでなく、新たな価値創出や競争力強化に取り組んでいます。AGCは今後も、生成AIをはじめとする先進技術の活用を通じて、製造現場の変革と持続的な成長の実現を目指していきます。


【活用事例①】
現場業務分析時間を1/10以下に効率化

従来ストップウォッチやビデオカメラを用いていた現場作業分析に「SmartLogger® Voice」を活用しています。作業者が現場で実施している作業内容を音声で記録し、そのデータを生成AIが自動で整理・分析することで、作業分析時間を従来比1/10以下に短縮しました。これにより、データ収集や分析に要する工数を大幅に削減し、データに基づく改善活動のPDCAサイクルが加速しています。

【活用事例②】
技術伝承・ナレッジのデジタル資産化

熟練技術者が持つ判断基準やノウハウを次世代へ継承するため、「SmartLogger® Voice」を活用しています。熟練者が現場での判断ポイントや着眼点を音声で説明すると、生成AIがその内容を整理・構造化し、伝承資料や判断フロー、Q&Aとして文字化します。これにより、従来は熟練者が個人の経験や勘に依存していた知見を、組織で共有・活用できるデジタル資産へと変換できるようになりました。

現場作業分析の導入事例(横浜テクニカルセンター倉庫)

横浜テクニカルセンターの出荷倉庫にて、熟練指導者が若手に対して作業説明している画像

【ご参考】
SmartLogger® Voice開発について
〈AGC株式会社、株式会社シーイーシー役割分担〉
・AGC株式会社:音声データの言語変換、データ生成へのソフト開発
・株式会社シーイーシー:音声認識技術および音声データ収集システムの開発
〈SmartLogger® Voiceの主な特徴〉
・作業中断を伴わないデータ取得:発話をトリガーとした会話録音機能
・従来必要であった端末操作を不要とし、作業の流れを維持したまま記録が可能
・データ取得から分析までの効率化:必要なデータのみに絞った収集により、整理・分析工程の負荷を軽減

株式会社シーイーシー
https://www.cec-ltd.co.jp/

◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部