1997年01月27日経営リリース
米国アライドシグナル社とフルオロカーボン事業合弁会社設立に合意
旭硝子(株)(本社:東京、社長:瀬谷博道)及び米国アライドシグナル社(ASI、本社:米国ニュージャージー州、会長:ローレンス・A・ボシディ)は、日本及び一部アジア地域の客先を対象とした代替冷媒・発泡剤分野でのフルオロカーボン(代替フロン)事業に関する合弁会社を、本年第2四半期(4〜6月)中に設立することで、このほど合意しました。
オゾン層保護を目的としたモントリオール議定書の取り決めにより、日本では95年末でCFCの生産を取りやめました。また、代替品のひとつであるHCFCも96年より規制に入り2010年には補充用を除いて使用が禁止され、2020年に全廃となる見通しです。そのため、近年各業界でオゾン破壊係数ゼロのHFCによる代替が検討されて来ました。
ASIは、将来の需要拡大が有力視されるHFC-410Aの特許を保有するとともにHFC-245faの製造技術も開発しており、両製品の世界展開を考える中で、代替化の先行している日本及び今後の成長が期待されるアジア市場での提携先を探していました。
一方、旭硝子は同市場において早くから代替品の開発に取り組み、フルオロカーボン製品中、最大の需要があった溶剤用CFC-113の代替品について、世界に先がけてHCFC-225を開発・上市するなど、数多くの代替品を生産・供給している世界でも有力なメーカーです。
今回、ASIは旭硝子の持つフルオロカーボンの販売力・技術力・保有特許等を高く評価して合弁のパートナーとして旭硝子を選び、今後共同でフルオロカーボン事業に臨むことになりました。
新会社が取り扱うフルオロカーボンは、いずれもオゾン破壊係数ゼロの、以下のHFC製品です。
・HCFC-22代替冷媒(エアコン等の空調機・冷凍機用) | →HFC-410A、HFC-407C |
・CFC-502代替冷媒(業務用低温冷凍機用) | →HFC-404A、HFC-507 |
(以上4製品はいずれもHFC混合品) | |
・HCFC-141b代替発泡剤(ポリウレタン等の樹脂発泡用) | →HFC-245fa |
両社は、日本において合弁会社を設立し共同事業を進めますが、当初合弁会社はもっぱら対象地域における市場開拓及び技術サービスを行います。製品の供給については、HFC-410A、245faはASIからの輸入により、それ以外の製品は旭硝子がみずから生産し、販売はすべて旭硝子が行います。また、代替品市場の拡大に合わせ、2〜3年後には国内でHFC-410Aの生産設備を建設し、引き続きHFC-245faの生産も検討する予定です。
合弁会社の詳細は現時点では確定していませんが、資本金は2000万円、所在地は日本国内の両親会社のいずれかの一部を借用してスタートさせ、出資比率は当初旭硝子49%、ASI51%で、国内生産開始後は50:50になる予定です。社名・人員等については今後両社で詰めて行きます。
以 上
【ご参考】
1.米国アライドシグナル社(AlliedSignal Inc.)の概要
(1)所在地 | 米国ニュージャージー州モーリスタウン |
(2)会長兼CEO | ローレンス・A・ボシディ |
(3)資本金 | 358百万ドル(95年12月期連結) |
(4)従業員数 | 約8万人(同上) |
(5)売上高 | 14,346百万ドル(同上) |
2.アライドシグナル・ジャパン株式会社(米国アライドシグナル社日本法人)の概要
(1)所在地 | 東京都港区三田3-13-16三田43森ビル4階 |
(2)社長 | 稲次 哲郎 |
(3)資本金 | 2,700万円 |
(4)従業員数 | 46人 |
3.冷媒・発泡分野でのCFC,HCFC規制の流れ