1998年02月27日経営リリース
旭硝子、トクヤマが電解事業で業務提携
旭硝子株式会社(本社:東京、社長:瀬谷博道)と株式会社トクヤマ(本部:東京、社長:三浦勇一)は、このたび、苛性ソーダ及び塩素誘導品関連の電解事業において業務提携を行うことで基本合意に至りました。
日本の電解事業は、苛性ソーダ及び塩素誘導品の国内需要の先行き不透明感、拡大した苛性・塩素のインバランス、世界的規模での電解設備増設による供給過剰の懸念、塩素を巡る環境対策問題の深刻化等により、今後ますます厳しい状況に直面するものと予想されます。
このような環境の下、旭硝子及びトクヤマは、各々電解事業の国際的な競争力を強化し、ユーザーへの良品質の製品の安定供給を目ざして企業努力を継続してきましたが、今後、生き残りのためにさらなる業務の合理化及び効率化が不可欠と判断し、電解製品に関する生産受委託、物流面の協力、生産技術面での交流及びその原料の供給といった業務提携を広範囲に実施することで、大筋において合意しました。
その具体的な提携の内容及びその進め方については、今後両社にて協議・検討することとしていますが、中心となる提携内容は次の通りです。
生産委託
既に、トクヤマが旭硝子に塩素系溶剤のひとつであるパークロルエチレンの生産委託を実施していますが、これに加え、両社間で補完関係が成立する苛性ソーダや塩素誘導品についても生産委託の検討を行い、経済合理性を追求して行きます。
物流面における協力
- 苛性ソーダ及び液体塩素・塩酸・次亜塩素酸ソーダ等の塩素誘導品を中心とする電解製品は、旭硝子が東日本(千葉・鹿島他)に、トクヤマが西日本(徳山)に生産拠点を持つことから、各々地理的にも補完的な位置関係にあります。そこで、積極的に製品相互融通(スワップ)を実施し、物流の合理化を徹底しコスト削減を図ります。 提携後のスワップとして、トクヤマが出資し同社苛性ソーダの東日本での製造拠点である千葉電解株式会社の解散(平成10年10月目処)に対応し、東日本では旭硝子が千葉電解に代わり、トクヤマに対し苛性ソーダ(年間約2万トン)及び塩素誘導品(年間約1万トン)を供給する予定です。一方、西日本では、トクヤマが旭硝子に対し同規模の供給を行います。
生産技術面での交流
両社の取扱品目の中には、電解製品、ソーダ灰、クロロメタン、塩化ビニールモノマー等共通する製品もありますが、いずれも環境や公害対策等技術改善が急務であり、必要な技術分野において交流及び提携を行い、技術面でも一層の向上を図ります。
原料の供給
両社が必要とする原料について、条件が合う場合には、その原料供給を相互に実施し、各々コストダウンを加速して行きます。
以 上
《ご参考》
・旭硝子及びトクヤマの電解生産能力(平成10年1月現在、苛性ソーダ100%換算)
(1)旭硝子
・千葉工場(千葉県市原市) | 235千トン/年 |
・鹿島工場(茨城県鹿島郡) | 291 |
・北九州工場(北九州市戸畑区) | 14 |
・鹿島電解(株)(茨城県鹿島郡) | 157 :旭硝子引取量 |
・関西クロールアルカリ(株)(大阪市大正区) | 22 : 同 上 |
・北海道曹達(株)(北海道苫小牧市) | 137 : 同 上 |
合 計 | 856千トン/年 |
(2)トクヤマ
・徳山工場(山口県徳山市) | 370千トン/年 |