1998年05月25日経営リリース

医薬品中間体・原体の製造会社を設立

 旭硝子(株)(本社:東京、社長:瀬谷博道)は、医薬品用ファインケミカル分野の事業拡大を図るための新たな製造拠点として、福井県小浜市に当社100%出資の新会社「(株)若狭エイ・ジー・シー・ファインケミカル」を本年4月に設立し製造を開始しました。

 新会社は、旧・(株)市川化学研究所小浜工場の主要設備資産を引き継ぎ、高品質の医薬品を製造するための規準であるGMPに対応が可能な多目的プラントで、医薬品用中間体等の製造を行います。販売は旭硝子が行うことになりますが、新会社は当面合成抗菌剤中間体、降圧剤中間体等の製造を手掛け、今後、国内外の製薬メーカーからの引き合いが急増しているGMP対応が必要な医薬品用高次中間体・原体の受託製造を重点的に行い、2〜3年後に売上高20億円を目指します。

 旭硝子のフッ素化学品事業は、医農薬関連分野でも、コアテクノロジーであるフッ素化技術を生かした各種抗菌剤・農薬の中間体等を製造し、売上を伸ばしてきました。医薬や農薬の開発では、フッ素原子の導入が薬効や持続性の増大に効果的なケースが多くフッ素のエキスパートである当社に対する新規案件の引き合いは、現在も様々な用途に広がりつつあります。

 さらに最近では、製薬メーカーのアウトソーシング需要に応えるために、昨年当社千葉工場にGMP対応が可能な試作プラントを建設し、開発段階のサンプル試作等を積極的に行っています。その結果、製薬メーカーからの新規開発テーマの受注が増加しており、今後の事業規模の急速な拡大が見込めることから、新会社を設立して供給体制の拡充を図ることにしたものです。新会社を含めた旭硝子グループの医農薬中間体・原体の設備能力は現在の約2.5倍になります。

 当社は、今後ともグローバルな視点から開発・製造体制やマーケティング力を強化し2000年代の早い時期に、医農薬関連分野の売上規模を倍増することを目指しています。

以  上

《ご参考》

1.新会社の概要
(1)社名    株式会社 若狭(わかさ)エイ・ジー・シー・ファインケミカル
(2)設立    1998年4月1日
(3)資本金   9,000万円(旭硝子100%出資)
(4)本社及び工場所在地
         福井県小浜市飯盛24−26−1 (TEL:0770-53-1402)
(5)社長    齋藤 興司(旭硝子社員)
(6)従業員数  11名(98年末時点で約20名を予定)

2.GMP
 Good Manufacturing Practiceの略称。品質の良い優れた医薬品を製造するための要件をまとめた規準。WHOが1969年にGMPの採用を勧告して以来、医薬品製造に関する必須要件として世界各国において定着している。わが国においても1980年「医薬品GMP」が施行されて以来、内容の改正・適用範囲の拡大が行われ、原薬や治験薬にも適用されている。

3.中間体・原体の概念図

中間体・原体の概念図