1999年10月14日研究開発リリースその他リリース

発明報償制度を改定

 旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)は、10月1日より、発明報償制度を抜本的に改定しました。今回の改定の最も大きな特徴は、真に事業に貢献した発明を積極的に評価するために、特許実績報償制度を新設した点にあります。この制度により、利益に貢献した発明をした場合、最大3,000万円の報償金を得ることが可能です。
 あわせて、従来からの出願補償並びに登録補償についても、増額改定をしています。

 当社は、今年6月にまとめた中期経営計画「S to G(シュリンク トゥ グロウ)2001」において、「ガラス・化学をベースとしたベストな素材ソリューション(顧客の課題解決に役立つ素材)をグローバルに提供すること」を企業方針に定めました。この中で、スペシャリティ・マテリアル・ビジネスと称した、ライフサイエンス、エネルギー・環境、情報・エレクトロニクス各分野事業での拡大または新規参入を最大のテーマとしており、これを実現するために、当該分野を中心とした新素材・新技術の開発がこれまでにも増して重要となってきています。また、昨今特許の重要性が高まる中で、知的所有権に支えられた事業展開が必須となっています。
 この様な背景のもと、(1)事業に貢献した発明を積極的に評価し今まで以上に発明者にインセンティブを与えることで、経営に寄与する発明を奨励し、自主技術の強化を図る (2)昭和56年より据え置かれていた発明補償制度を、現在の経済レベルに相応しいものにすることを目的に改定しました。

 新設した実績報償制度では、経済的価値を基準に選定することを基本とし、事業貢献が明確で、相当の利益をもたらした製品・事業・プロセスに係わる特許・実用新案・意匠が報償の対象となります。特許については、自社で実施した場合、並びに他社へライセンスした場合双方とも対象となります。
 対象となる特許を、特許の強さ(権利の広さ、重要度、代替技術の可能性)及び事業貢献実績(製品利益、コストダウン額、ロイヤリティ収入)の両面から評価し、貢献額により4ランクにわけ、ランク毎に50〜500万円の報償金が定められています。
 実績報償は登録後3年毎に特許失効(出願時から20年)まで継続されるため、利益貢献が継続すれば6回の報償機会があり、6回とも最高ランクとなれば、3,000万円の報償金を得ることが可能です。

 この実績報償制度においては、報償対象特許の選抜及びランク付けは特許活用部署(主として事業部)で行い、新設の特許評価委員会で報償特許を決定し、最終的には社長が決裁、表彰します。

以    上

<ご 参 考>

  1. 発明報償制度
    従来の制度 改定後
    出願時(出願補償):6,000円/件 出願時(出願補償):10,000円/件
    登録時(登録補償):10,000円/件  登録時(登録補償):20,000円/件
    活用時(実績報償):50〜500万円/回

  2. 実績報償における利益貢献額と報償金額の関係
    ランク 1回あたり報償金額 利益貢献額*(億円) ロイヤリティ貢献額(億円)
    500万円 30以上 10以上
    300万円 10〜30未満 3〜10未満
    100万円 3〜10未満 1〜 3未満
    50万円 1.5〜 3未満 0.5〜 1未満
    * 利益貢献額 = 製品利益(またはコストダウン額)× 査定率

  3. 実績報償検討の流れ


  4. 当社保有特許数、毎年の出願件数

    特許保有件数(国内):約1,700件、 特許出願件数(国内):約800件/年