旭硝子(株)（本社：東京、社長：石津進也）は、このほどインド旭硝子(株)（本社：カルカッタ、社長：石山勝朗、以下ＩＡＧ社と略す）の株式の当社持ち分（３９.７６％）全てを、ハリアナグループ（本社：ニューデリー、代表：Ｒ．Ｓ．ケムカ）へ売却しました。
　本年５月１８日に同グループと株式売買契約を締結し手続きを進めてまいりましたが、１０月１４日に、先方がインドの証券取引法の規定に従って実施しました最低２０％に相当するＩＡＧ社の株式の市場における公開買付を完了し、当社持分株式の売買を終了しました。
　今後のＩＡＧ社の経営は、ハリアナグループが中心に進めていきます。

　ＩＡＧ社は、１９５６年に当社の戦後最初の海外事業として、既存板ガラス工場を買収する形で進出し、１９７９年現地で上場するなど、当社板ガラス事業のグローバル戦略の一環として重要な役割を果たしてきました。しかし、同社は現在世界的に主流となっているフロート法ではなく、旧来からの縦引き法により板ガラスを製造しており、高品位の板ガラスが求められる商業ビルや自動車向けへの対応が難しくなっていました。さらにフロート法による板ガラスを製造する会社がインド国内に複数設立され競争が激化してきたこともあり、ここ数年業績が悪化していました。

　一方、当社は、インドの経済自由化政策を機に、ムンバイにてフロート法による板ガラスの製造・販売の合弁事業としてフロートグラス・インディア社（本社：ムンバイ、社長：渡辺博太郎、以下ＦＧＩ社と略す）を設立し、１９９４年末より製造開始しており、今後インドにおける板ガラス事業は同社に集約するという方針の下、ＩＡＧ社から撤退する方向でその具体的方法を模索してきました。昨年１２月、ハリアナグループに対し売却を打診し、以来交渉を進めてきましたが、今般上記の公開買付終了をもって売却が完了したものです。
　今般の株式売却は、これを契機にインドにおける板ガラス業界の再編が進み、現在の大幅な供給過剰状態が調整されると予想されることから、ＦＧＩ社にとっても好影響を与えるものと期待されます。

　当社のアジア地区における板ガラス事業は、現在タイ、インドネシア、インド、フィリピン、中国の５ヶ国で、現地パートナーとともに製造・販売合弁事業を展開するとともに、シンガポール、香港を営業拠点として、域内の主要市場をカバーしています。
　今後も、事業特性、地域戦略等を総合的に勘案し、さらに事業の選択と集中を機動的に図ることで、グループキャッシュフローの極大化を目指した事業展開を進めていきます。

＜ご　参　考＞

1. インド旭硝子(株)の概要

   （１）	商 号	インド旭硝子株式会社 （The Indo−Asahi Glass Co.,Ltd.）
   （２）	本社及び工場所在地	本 社：カルカッタ
   		工 場：ビハール州ブルクンダ
   （３）	代表取締役社長	売却前：石山勝朗（旭硝子社員）
   （４）	資 本 金	64.4百万ルピー（約174百万円）
   （５）	株 主	売却前：旭硝子(39.76%)､一般株主(60.24%)
   （６）	売 上 高	644百万ルピー(約1,739百万円)(1998年度）
   （７）	営業品目	板ガラス
   （８）	設立年月日	１９５６年
   （９）	従業員数	約１,６００名
   （10）	上 場 年	１９７９年
   （11）	上場証券取引所	カルカッタ、ムンバイ

   
   
2. ハリアナグループ（ハリアナシートグラス）

   （１）	商 号	ハリアナシートグラス (Haryana Sheet Glass Limited)
   （２）	本社所在地	ニューデリー
   （３）	代 表 者	Ｒ．Ｓ．ケムカ
   （４）	資 本 金	148百万ルピー（約400百万円）
   （５）	売 上 高	1,181百万ルピー（約3,188百万円）
   （６）	営業品目	板ガラス

3. フロートグラス・インディア(株)社の概要

   （１）	商 号	フロートグラス・インディア株式会社 (Floatglass India Co., Ltd.）
   （２）	本社及び工場所在地	本社：ムンバイ
   		工場：ムンバイ郊外タロージャ工業団地
   （３）	代表取締役社長	渡辺博太郎（旭硝子社員）
   （４）	資 本 金	2,701百万ルピー(約7,293百万円）
   （５）	株 主	旭硝子(49%)､タタ・グループ３社(26%)､ 一般株主(25%)
   （６）	売 上 高	1,769百万ルピー（約4,776百万円)(1998年度）
   （７）	営業品目	フロート板ガラス
   （８）	設立年月日	１９９１年
   （９）	従業員数	約７００名