1999年11月04日経営リリース

韓国電気硝子の過半株式を買収

 旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)は、ブラウン管用ガラスバルブの大手メーカーである韓国電気硝子(株)(本社:韓国・亀尾(クミ)市、代表理事:徐斗七、以下「HEG社」という)の株式及び転換社債(合計4,036千株相当、持分比率50%+1株)を、同社の大株主であるオリオン電気(株)及び大宇電子(株)から、2,069億ウォン(約183億円)で買収することで両社との合意に達し、11月4日に、韓国ソウル市で株式買収基本契約を締結しました。 

 ここ数年、ブラウン管の大型化要求の高まりから、ブラウン管用ガラスバルブの重量ベースでの販売量は、パソコン用モニター、民生用テレビ向けの双方で、毎年著しく増加しています。また、当社では、去る6月に発表した中期経営計画「StoG2001」の中で、Grow 施策(成長施策)のひとつとして、コアであるガラス事業のグローバル展開を強化することを掲げており、ブラウン管用ガラス事業でも一層のグローバル展開を模索していました。
 このような状況の下で、韓国における代表的な財閥である大宇グループの事業再構築の過程で、売上高が1998年実績で4,842億ウォン(約472億円)、同経常利益で307億ウォン(約29億円)と良好な経営状態にあったHEG社の株式売却が当社に持ちかけられ、ブラウン管用ガラス事業の拡大を目指す当社のニーズと一致し、同社株式の譲渡につき合意に至ったものです。

 HEG社は亀尾市にブラウン管用ガラスパネル(前面ガラス)及びガラスファンネル(後部ガラス)を生産する3工場を有しており、ガラスパネルベースで約2,500万個/年の生産能力を保有しています。価格競争力を有し、しかも需要の増加が望める大型品種の製造に必要な生産技術・生産設備を保有するHEG社を連結対象会社とすることにより、旭硝子グループのブラウン管用ガラスバルブにおける世界市場シェアは、現在の約25%から約35%へ拡大するものと見込んでいます。 

 本件株式買収により、新規投資に伴う時間と費用を節約し、現在進行中の大型バルブ需要増のビジネス機会を効果的に捉えることも可能となり、グローバルなレベルでの最適なプロダクト・ミックスが強化されることとなります。また、韓国国内での販路の確保が可能となり、世界市場の中で重要な位置付けである、韓国市場でのビジネス拡大も可能となります。 

 今後当社とHEG社は、それぞれの技術力、販売力を基盤に双方相互にシナジー効果を発揮し、旭硝子グル−プとしてのブラウン管用ガラス事業のさらなる拡大を目指します。

                                       以 上

<ご 参 考>

1.新たに子会社となる会社の概要

(1)商号 韓国電気硝子(株)(Hankuk Electric Glass Co., Ltd.)
(2)代表者 代表理事 徐斗七(Doo-Chil Suh、ドゥー・チル・ソー)
(3)所在地 韓国亀尾市
(4)設立年月日 1974年5月
(5)主たる事業の内容 ブラウン管用ガラスバルブの製造及び販売
(6)決算期 12月31日
(7)従業員数 1,831名(1999年6月現在)
(8)主な事業所 本社、第一工場、第二工場、第三工場
(いずれも韓国亀尾市に所在)
(9)資本金 32,838百万ウォン
(10)発行済株式総数 8,073,376株
(転換社債を完全に株式転換したベース)
(11)大株主構成及び所有割合
(当社の株式買収前)
オリオン電気(韓国)  45.7%
一般株主         36.5%
テクネグラス(米国)   8.9%
大宇電子(韓国)     4.3%
日本電気硝子(日本)   3.8%
(12)最近事業年度における業績 (単位:百万ウォン)
1997年12月期
1998年12月期
売上高
    237,724
    484,236
営業利益
    −28,818
     80,558
経常利益
    −59,266
      30,713
当期利益
    −59,798
     30,539
総資産
     490,729
    473,643
株主資本
      40,419
    172,968

2.主たる株式の取得先の概要

 取得先(1)

(1)商号  オリオン電気(株)
(2)代表者  代表理事社長 金英男 (Y. N. Kim)
(3)所在地  韓国亀尾市
(4)設立年月日  1965年11月
(5)資本金  199,959百万ウォン(1998年12月現在)
(6)大株主  大宇通信(6.9%)、大宇財団(3.1%)
(7)主たる事業の内容  家電・電子部品製造及び販売

 取得先(2)

(1)商号  大宇電子(株)
(2)代表者  社長 張 基享(Chang Ki Hyung)
(3)所在地  韓国ソウル市
(4)設立年月日  1972年9月
(5)資本金  420,826百万ウォン(1998年12月現在)
(6)大株主  証安基金(8.9%)、大宇財団(2.3%)
(7)主たる事業の内容  家電・電子部品製造及び販売

3.株式買収後の株主構成等

株主
持株数
持株比率
旭硝子
     4,036,689
        50%+1株
一般株主
    2,944,073
        36.5%
テクネグラス
      721,000
         8.9%
日本電気硝子
      309,000
         3.8%
従業員持株会
       62,614
          0.8%
     8,073,376
         100%
    (※転換社債のオプション権を実行し、完全に株式転換後のベース) 

4.株式買収後の当社の業績見通し及び当該株式買収が連結業績に与える影響 

株主
第75期
(平成11年4月〜平成12年3月)
第76期
(平成12年4月〜平成13年3月)
連結売上高
1,300,000百万円(0百万円)
未定 (未定)
連結営業利益
52,000百万円(0百万円)
未定 (未定)
連結経常利益
29,000百万円(0百万円)
未定 (未定)
連結当期純利益
8,000百万円(0百万円)
未定 (未定)
    (注)(  )内は当該株式買収が連結業績に与える影響額。 

5.株式買収日程

(1)1999年10月22日  旭硝子取締役会決議
(2)1999年11月 4日  株式買収契約調印
(3)1999年11月中旬  クロージング(株式買収手続き完了)予定