2000年03月28日経営リリース
中国でのガラス合弁事業を再編
旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)は、このほど中国における建築用・自動車用ガラス合弁会社4社の内、1社の持分を現地パートナー側に譲渡して撤退し、一方、残る3社の持分を買い増してマジョリティを取ることとしました。
当社は、これまで、PPGインダストリーズ(株)(本社:米国ピッツバーグ、会長:R・ルバーフ、以下PPG社という)と折半出資の持株会社ペンバシア(株)(本社:香港、社長:R・G・ヤング)を通じて、以下の4社に出資していました。
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広東フロート硝子有限公司
(本社:深、社長:楊永、以下広東社という) -
大連フロート硝子有限公司
(本社:大連、社長:西江頌夫、以下大連社という) -
北京ペンバシアグラス有限公司
(本社:北京、社長:張定金、以下北京社という) -
秦皇島海燕安全玻璃有限公司
(本社:秦皇島、社長:孫小平、以下秦皇島社という)
今般、PPG社がこれら4社への出資を解消するのを機に、当社は、広東社については、昨年12月29日にペンバシア社の出資持分すべてを中国側パートナーに譲渡しました。一方、大連社、北京社、秦皇島社についてはペンバシア社の出資持分のすべてを買取り、当社の直接出資に切り替えることとしました。大連社については本年2月1日に、北京社については同2月29日に中国政府当局の認可を取得して、それぞれ同日付で当社が60%の持分を保有することとなりました。秦皇島社については、現在、政府認可の申請手続中です。
広東社は、1985年にPPG社と現地パートナーらの合弁で設立され、1987年に生産を開始、中国初の本格的フロート板ガラス工場として事業を続けてきました。当社は、1992年にペンバシア社を通じて同社に資本参加し、間接的に25%の持分を保有しました。しかし、その後中国においてフロート法による板ガラス製造会社が多数設立されたことから競争が激化し、業績が低迷しました。また自動車用安全ガラスの素板(もといた)等、高付加価値品種の生産には不向きな設備であり、大連に比べて日本市場からは遠方に立地することから、PPG社とともに同社から撤退することを決めたものです。
大連社は、1992年に設立し、1995年に同じくフロート板ガラスの生産を開始しており、ペンバシア社60%(当社30%、PPG社30%)、伊藤忠商事(株)10%、IFC(国際金融公社)5%、現地パートナー25%の出資比率で運営されてきました。当社は、PPG社の撤退に伴い、中国のフロート板ガラス生産は大連社に集約することとし、当社の出資持分を60%に引き上げたものです。大連社は、市況の回復や当社からの技術支援もあり、最近業績が向上してきています。当社は、今後大連社を中国市場における高品質板ガラスの有力な生産拠点とし、また旭硝子グループにおける日本を初めとする海外市場への供給拠点のひとつとして機能させます。
北京社は、1996年にペンバシア社60%(当社30%、PPG社30%)、現地パートナー40%の出資で設立、1997年に生産を開始しました。同社は、フロート板ガラスを建築用に加工する事業を行っており、強化ガラス、複層ガラス等を生産しています。当社は、大連社同様、PPG社の撤退に伴い、北京社へのペンバシア社出資持分(60%)を引き受けました。
秦皇島社は、1991年に米国資本のイーリン社と現地パートナーの合弁で設立、同年に事業活動を始め、1995年にペンバシア社が同社持分52%をイーリン社から取得、当社は間接的に26%持分を保有し、現在に至っています。秦皇島社は、フロート板ガラスを加工して自動車用の合わせガラス・強化ガラスを生産しており、当社は、中国における自動車生産の拡大に対応するための拠点として、持分を52%に引上げることとしたものです。
以上3社のペンバシア社出資持分買収に要した金額は、約10百万ドルです。なお、秦皇島社の持分買収完了後、ペンバシア社は清算する予定です。
当社はアジア地区において、建築用はタイ、インドネシア、フィリピン、インド、中国に、自動車用はタイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、インド、中国、台湾に製造拠点を有しています。今後も、各々の事業特性、地域戦略等を勘案して事業展開を進めるとともに、「シュリンク・トゥ・グロー(Shrink to Grow)」の経営戦略の下、事業の選択と集中を図ることでグループキャッシュフローの極大化を目指していきます。
以 上
<ご参考>- 出資比率変更の概要
従来の出資比率 | 再編後の出資比率 | |
(1)広東社 【フロート板ガラス】 |
ペンバシア50% (旭硝子25%、PPG25%) 中国側50% |
中国側100% |
(2)大連社 【フロート板ガラス】 |
ペンバシア60% (旭硝子30%、PPG30%) 中国側25% 伊藤忠商事10% IFC5% |
旭硝子60% 中国側25% 伊藤忠商事10% IFC5% |
(3)北京社 【建築用加工ガラス】 |
ペンバシア60% (旭硝子30%、PPG30%) 中国側40% |
旭硝子60% 中国側40% |
(4)秦皇島社 【自動車用ガラス】 |
ペンバシア52% (旭硝子26%、PPG26%) 中国側48% |
旭硝子52% 中国側48% |
- 広東フロート硝子有限公司の概要
- 大連フロート硝子有限公司の概要
- 北京ペンバシアグラス有限公司の概要
- 秦皇島海燕安全玻璃有限公司の概要
(1) | 商号 | 広東浮法玻璃有限公司 (Guangdong Float Glass Co., Ltd.) |
(2) | 本社所在地 | 広東省深市蛇口工業区 |
(3) | 董事長(会長) | 武 |
(4) | 総経理(社長) | 楊永 |
(5) | 資本金 | 20百万US$ |
(6) | 出資者 (持分売却前) |
ペンバシア50%、招商局輪船股有限公司14%、中国北方工業深公司13%、深市建材集団有限公司13%、広信企業発展公司10% |
(7) | 売上高 | 25百万US$(約26億円)(1998年度) |
(8) | 営業品目 | フロート板ガラス |
(9) | 設立年月日 | 1985年4月 |
(10) | 従業員数 | 約500名 |
(1) | 商号 | 大連浮法玻璃有限公司 (Dalian Float Glass Co., Ltd.) |
(2) | 本社所在地 | 遼寧省大連市経済技術開発区 |
(3) | 董事長(会長) | 曹徹 |
(4) | 総経理(社長) | 西江頌夫(旭硝子社員) |
(5) | 資本金 | 48百万US$ |
(6) | 出資者 (持分売却前) |
ペンバシア60%、伊藤忠商事10%、IFC5%、大連玻璃集団公司25% |
(7) | 売上高 | 202百万元(約25億円)(1998年度) |
(8) | 営業品目 | フロート板ガラス |
(9) | 設立年月日 | 1992年12月 |
(10) | 従業員数 | 約500名 |
(1) | 商号 | 北京華玻璃有限公司 (Beijing Pennvasia Glass Co., Ltd.) |
(2) | 本社所在地 | 北京市通県工業開発区 |
(3) | 董事長(会長) | 蘇昭 |
(4) | 総経理(社長) | 張定金 |
(5) | 資本金 | 5百万US$ |
(6) | 出資者 (持分売却前) |
ペンバシア60%、中北玻璃工業公司40% |
(7) | 売上高 | 24百万元(約3億円)(1998年) |
(8) | 営業品目 | 建築用加工ガラス |
(9) | 設立年月日 | 1996年3月 |
(10) | 従業員数 | 約100名 |
(1) | 商号 | 秦皇島海燕安全玻璃有限公司 (Qinhuangdao Haiyan Safety Glass Co., Ltd.) |
(2) | 本社所在地 | 河北省秦皇島市 |
(3) | 董事長(会長) | 横田俊久(旭硝子常務取締役) |
(4) | 総経理(社長) | 孫小平 |
(5) | 資本金 | 11百万US$ |
(6) | 出資者 (持分売却前) |
ペンバシア52%、秦皇島鋼化玻璃廠48% |
(7) | 売上高 | 100百万元(約13億円)(1998年) |
(8) | 営業品目 | 自動車用加工ガラス |
(9) | 設立年月日 | 1991年12月 |
(10) | 従業員数 | 約500名 |