2000年06月06日製品リリース

旭硝子・三菱商事・ネットワンシステムズ3社共同で高速光ファイバーの販売を開始

 旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)、三菱商事(株)(本社:東京、社長:佐々木幹夫)、及びネットワークインテグレーター(LAN等のネットワーク構築を事業としている会社)大手のネットワンシステムズ(株) (本社:東京、社長:佐藤一雄)の3社は、このほど共同で全フッ素樹脂光ファイバーの販売を開始します。

 全フッ素樹脂光ファイバー(商品名:ルキナ)は、旭硝子が開発した透明フッ素樹脂「サイトップ」を素材に用いており、

  1. マルチモード石英光ファイバーの性能をしのぎ100mで毎秒10ギガビットの高速伝送が可能。次世代のネットワーク規格である10ギガビットイーサネットに対応できる高速性を発揮する。
  2. 柔軟性・簡易接続性を有し、接続作業に要する時間は石英光ファイバーの10分の1になるため、全配線コストの最も大きなウェイトを占める接続コストを大幅に削減できる
  3. 現在のネットワーク規格である1ギガビットイーサネットや100メガビットイーサネットの市販LAN(Local Area Network)機器にそのまま使用可能。このことは、樹脂系ファイバーとしては世界初。次世代の10ギガビットイーサネットを見越した全光LAN配線の構築が今すぐにでも可能 

といった特長を持つ画期的な光ファイバーです。
 ルキナは、簡易接続性と超高速性を併せ持つ現状で唯一の製品であり、デジタル動画等を含む大容量情報伝送が必要とされるLAN配線、ホームネットワーク等のアプリケーションへの適用が特に期待されています。

 最近では、インターネットの利用による大容量ホームページや特に注目されている電子商取引などに大量のデータが必要になって来ています。またデータウエアハウスによる顧客データ管理や会計管理が注目されておりこれにも大容量データ伝送が必要になります。このような背景から光ファイバーによるオフィス内LAN及び大規模ISP、ASPにおけるサーバーネットワークの構築が必須になっています。このようなことから、LAN配線の分野における光ファイバー需要は急成長しており、2002年には全世界で1,500億円の市場規模になると予測されています。具体的には2003年4月竣工予定の三菱商事・品川新オフィスビルにも採用されます。

 今回の協力体制により、旭硝子の全フッ素樹脂光ファイバーを中心に、旭硝子、三菱商事、ネットワンシステムズが共同で市場開発を行い、今後急成長が見込まれる大容量・高速ネットワークのトータルソリューション提供を行なっていきます。売上げについては、5〜6年後にルキナを利用したシステム総額で約5百億円程度を目指します。
 尚、ネットワンシステムズ社は、6月7日から9日まで幕張メッセで開催される「INTEROP 2000 TOKYO」に出展し、ルキナのデモ展示を行います。

以  上

参考資料

  1. ネットワンシステムズ株式会社

    本社所在地 東京都品川区東品川2-2-8 スフィアタワー天王洲
    資 本 金 22億44百万円(2000年3月現在)
    事業内容 ネットワークインテグレーション事業及びネットワーク製品販売事業
    年  商 343億27百万円(2000年3月期実績)
    設  立 1988年2月
    従業員数 443人(2000年3月現在)
  2. 用語説明

    • ISP(Internet Service Providerの略称)

      インターネット接続やサーバの賃貸しなど,インターネット関連のサービスを提供する通信事業者。英語の頭文字をとってISPと呼んだり、略してプロバイダと呼ぶこともある。

    • ASP(Application Service Providerの略称)

      アプリケーションに関するサービスを企業との契約を元にして提供する業態・事業者。具体的なサービス内容は、アプリケーションの配布、ホスティング(サーバーの空きディスクスペースのレンタル)、管理、ライセンス管理などだが、センター側でアプリケーションを一元管理し、ネットワーク経由で利用する点が特徴。
      ユーザーはWebブラウザとインターネット・アクセスさえできれば、アプリケーションを購入・利用できるため、中堅・中小企業を相手とするパッケージ販売を効率化できると期待されている。

    • データウエアハウス(Data Warehouse)

      業務を始め、日々発生する様々なデータを抽出し、目的別に整理・統合し、時系列に蓄積していったデータ(データベース)を参照することで、企業活動を正確に把握し、企業経営を支援するシステム。