旭硝子(株)（本社：東京、社長：石津進也）は、このほど、タイ国の合弁会社であるタイ旭硝子(株)（以下ＴＡＧ社と略す）、バンコクフロートグラス(株)（以下ＢＦＧ社と略す）及びタイ安全硝子(株)（以下ＴＳＧ社と略す）の３社について、現地の合弁相手であるスリフンフン・パニチュワ・グループ（以下パートナーと略す）の全持分を買取り、当社の子会社としました。また、当社が既にマジョリティ持分を間接保有しているタイ旭エレクトロニックデバイシズ(株)(以下ＴＡＥ社と略す)についても、パートナーの全持分を買取り、１００％孫会社としました。パートナーからの買取総額は４社合計で約４４億円となります。

　ＴＡＧ社、ＢＦＧ社、ＴＳＧ社、ＴＡＥ社に対する買取前の当社持分はそれぞれ３９.６％、４１.４％、４５.０％、７０.０％でしたが、今回の買取りにより、同８５.２％、９６.３％、９３.２％、１００.０％となりました。この内、タイ証券取引所の上場会社であるＴＡＧ社については、タイ証券取引委員会の規定に従い、今回の買取りに続き、公開買付を通じて、残る一般株主からも株式の買取りを行います。公開買付終了後には、同社の上場廃止を計画しています。また、ＢＦＧ社及びＴＳＧ社についても、パートナー以外の株主が保有する全株式を買い取る方向で今後交渉します。

　ＴＡＧ社、ＢＦＧ社は、各々１９６３年、１９８９年に設立され、パートナーとの合弁事業として、タイ国内における建築用・自動車用板ガラスの製造・販売を行うとともに、東南アジア地域における輸出拠点として重要な役割を果たしてきました。また、ＴＳＧ社は、１９７４年にＴＡＧ社の子会社として設立された後、１９８８年にパートナーとの合弁会社となり、タイ国内における日系及び欧米系自動車メーカーを主要な客先として、自動車用・産業用加工ガラスの製造・販売を行ってきました。
　アジアの経済危機から回復し今後の成長が期待されるタイ国におけるこれらの合弁会社について、当社は、そのマジョリティ持分を取得して経営権を完全に掌握し、経営効率化、コスト削減、高付加価値製品の投入等を通じて競争力を高めるとともに、当社の板ガラス及び加工ガラス事業のグローバル戦略の枠組みの中で、これらの会社をアジア地域の重要な生産拠点として機能させる所存です。
　ＴＡＥ社は１９９１年にパートナーとの合弁事業として設立され、テレビ・ビデオ用部品（ガラスディレーライン）の製造・販売を行ってきましたが、デジタル化の進展に伴い同製品の需要が大幅に減少していました。今回の１００％孫会社化とともに、新たに当社グループの製品である液晶モジュールの受託生産を行い同社の事業を拡大させる計画です。

　一昨年来、当社では「シュリンク・トゥー・グロー（Shrink to Grow)」の経営戦略の下、事業の選択と集中を図ることにより事業構造の改革と体質の強化を進めていますが、今回のタイ国合弁会社各社のマジョリティ持分取得はGrow戦略の一環として実施したもので、グローバル展開の強化により、各事業の一層の成長を図ります。

＜ご参考＞　

1. パートナーからの株式買取前後の出資比率

   	従来の出資比率	→	買取後の出資比率
   (1)タイ旭硝子(株) 　【フロート板ガラス他】	旭硝子       ３９．６％ パートナー  ４５．６％ 一般株主  １４．８％		旭硝子      ８５．２％ 一般株主  １４．８％
   (2)バンコクフロートグラス(株) 　【フロート板ガラス他】	旭硝子　　　４１．４％ パートナー　５４．９％ その他　　　３．７％		旭硝子　　　９６．３％ その他　　　　３．７％
   (3)タイ安全硝子(株) 　【自動車用加工ガラス他】	旭硝子　　　４５．０％ パートナー　４８．２％ その他　　　　６．８％		旭硝子　　９３．２％ その他　　　６．８％
   (4)タイ旭エレクトロニックデバイシズ(株) 　【電子部品】	旭硝子ファインテクノ* ７０．０％ パートナー　３０．０％		旭硝子ファインテクノ* 　　　　　１００．０％

   （*）(株)旭硝子ファインテクノは日本国内における当社１００％出資の子会社です。

2. タイ旭硝子(株)の概要
   （注）２〜５の各社概要は、すべて１９９９年１２月末現在（今回の買取以前）のものです。>

   （１）商号	タイ旭硝子株式会社 （Thai-Asahi Glass Public Co., Ltd.）
   （２）本社及び工場所在地	本 社：バンコク市 工 場：サムットプラカン県 　　　　ラヨーン県
   （３）代表取締役社長	ソンバット・パニチュワ氏
   （４）資本金	750百万バーツ（約20億円）
   （５）株主	旭硝子（39.6％）、スリフンフン・パニチュワ・グループ(45.6％)、その他一般株主（14.8％）
   （６）売上高	1,247百万バーツ（約34億円）
   （７）営業品目	フロート板ガラス、型板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、建築用強化ガラス、鏡
   （８）設立年月	１９６３年６月
   （９）従業員数	６０４名
   （10）上場年	１９８９年（タイ証券取引所）

3. バンコクフロートグラス(株)の概要

   （１）商号	バンコクフロートグラス株式会社 （Bangkok Float Glass Co., Ltd.）
   （２）本社及び工場所在地	チョンブリ県
   （３）代表取締役社長	チャイナロン・スリフンフン氏
   （４）資本金	600百万バーツ（約16億円)
   （５）株主	旭硝子（41.4％）、スリフンフン・パニチュワ・グループ(54.9％)、その他（3.7％）
   （６）売上高	1,074百万バーツ（約29億円）
   （７）営業品目	フロート板ガラス
   （８）設立年月	１９８９年１月
   （９）従業員数	２６６名

4. タイ安全硝子(株)の概要

   （１）商号	タイ安全硝子株式会社 （Thai Safety Glass Co., Ltd.）
   （２）本社及び工場所在地	チョンブリ県
   （３）代表取締役社長	ソンバット・パニチュワ氏
   （４）資本金	420百万バーツ（約11億円)
   （５）株主	旭硝子（45.0％）、スリフンフン・パニチュワ・グループ(48.2％)、その他（6.8％）
   （６）売上高	1,039百万バーツ（約28億円）
   （７）営業品目	自動車用加工ガラス、産業用加工ガラス
   （８）設立年月	１９７４年７月
   （９）従業員数	３９１名

5. タイ旭エレクトロニックデバイシズ(株)の概要

   （１）商号	タイ旭エレクトロニックデバイシズ株式会社 （Thai-Asahi Electronic Devices Co., Ltd.）
   （２）本社及び工場所在地	ランプーン県
   （３）代表取締役社長	梅渓久男
   （４）資本金	70百万バーツ（約2億円)
   （５）株主	(株)旭硝子ファインテクノ（70.0％）、スリフンフン・パニチュワ・グループ(30.0％)
   （６）売上高	217百万バーツ（約6億円）
   （７）営業品目	ガラスディレーライン、電子部品実装基板、半導体装置用石英製品
   （８）設立年月	１９９１年１０月
   （９）従業員数	３１０名