2001年07月18日製品リリース

DSMバイオロジクス社の総代理店として、バイオ医薬品受託製造に本格参入

 旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)と蛋白質医薬品原体受託製造分野で世界有数の企業であるDSMバイオロジクス社(本社:オランダ)は、このほど旭硝子がDSMバイオロジクスの日本の総代理店となる長期契約を締結することで合意しました。今後、旭硝子/DSMバイオロジクスは、日本におけるNo.1バイオ医薬品受託製造企業を目標に本格的に事業展開していきます。

 旭硝子は、昨年4月1日付けで「ASPEX事業推進部」を設置し、医薬・化学・食品メーカーを始めとした顧客を対象に蛋白質を提供する酵母利用蛋白質生産事業に本格的に参入するとともに、旭硝子のASPEX技術を高く評価しているDSMバイオロジクス社と共同で、バイオ医薬品の受託製造に関して昨年始めから市場調査を進めてきました。今般、当該分野における日本の市場性・成長性が確認できたことから、契約締結するに至ったものです。
 今回の提携により、旭硝子は、日本の顧客に対し、微生物利用技術のみならず動物細胞を利用した蛋白質生産を、抗体医薬品・ワクチン・血液ホルモン・医薬用酵素向け等に幅広く提供することが可能となる一方で、DSMバイオロジクス社は、欧米とは環境の異なった日本市場にスムースにアクセスする事が可能になります。

 DSMバイオロジクス社は、2,000L動物細胞用培養槽並びに3,500L微生物用培養槽を基本としたcGMP対応医薬品用たんぱく質製造設備を保有しています。また、旭硝子は、神奈川県横浜市に300Lの微生物用培養槽及び精製設備を保有し顧客の要望に応じcGMP対応製造が可能であり、顧客の要望する基礎プロセス開発段階から臨床試験用サンプル、更には上市後製品の製造に応えることが可能な体制をすでに構築済みです。

 蛋白質医薬品原体の受託製造市場は、全世界で現在500億円程度の市場ですが、年率20%以上伸びており、2005年には約2000億円に増大すると予想されています。日本市場は欧米に比べ若干の遅れがありますが、今後大きく進展するものと期待されており、2005年には、全世界市場の15〜20%の規模になると見込まれます。
 当社では、既に多くの引合いを受けており、今後、ASPEX事業推進部では、国内外の製薬・化学・食品・酵素メーカー等を対象に、幅広い用途が期待される蛋白質生産分野で積極的な事業拡大を図り、本事業分野での世界トップ企業になることを目指しています。  

以上

<ご参考>
(1)語句解説
(1)ASPEX
(アスペックス:Asahi Glass Schizosaccharomyces pombe Expression System)
 ファインケミカルズ分野における次世代技術として当社中央研究所にて開発した酵母を利用した蛋白質の生産技術。

(2)cGMP
 current Good Manufacturing Practiceの略称。品質の良い優れた医薬品を製造するための要件をまとめた規準。WHOが1969年にGMPの採用を勧告して以来、医薬品製造に関する必須要件として世界各国において定着している。

(2)DSMバイオロジクス社 概要

英文社名 DSM Biologics
社  長  Mr.Algra,Gerben
本社所在地 オランダ、シッタード市
会社概要 オランダ最大の化学企業
DSM N.V.社のファインケミカル部門。
バイオ医薬品のプロセス開発とGMP製造を行う
受託製造専門のトップ企業 
     
製造設備 :  オランダ、グロニンゲン市
カナダ、モントリオール市
従業員数 約250人
本件に関するお問合せ先
旭硝子(株)広報室長 井本 健一
TEL: 03-3218-5243
事業に関するお問合せ先
旭硝子(株)ASPEX事業推進部 
事業開発グループ 塚本 洋子
TEL: 03-3218-5694