旭硝子(株)（本社：東京、社長：石津進也）は、メキシコ及びロシアにおいて、欧米の子会社を活用し、フロート板ガラスの製造工場を新たに建設することを決定しました。両地域における板ガラス需要の増加に対応するためのもので、総投資額は、メキシコ、ロシア合わせて約２３０億円の規模となります。

　メキシコ工場は、メキシコのガラスメーカーであるビトログループの子会社ビトロ・プラノ社（以下、ビトロ社）と当社の子会社であるＡＦＧインダストリーズ社（本社：アメリカ、以下ＡＦＧ社）との製造合弁（出資比率５０：５０）で、総投資額は約１億ドルです。ビトロ社のメヒカリにある既存設備を、フロート板ガラス工場に改造し、２００３年第４四半期の完成を予定しています。

　北米大陸西海岸地域では、現在板ガラスは供給不足の状態が続いており、今後も需要の拡大が見込まれますが、新設工場は日産約５５０トンのフロート板ガラス製造能力を有し、この需要増に対応するほか、輸送コストの削減にも寄与することが期待されます。

　ロシアにおいては、子会社であるグラバーベル社（本社：ベルギー、以下ＧＶＢ社）が、ロシア最大のガラスメーカーであるボーグラスワークス社を通じて既に事業活動を行っていますが、増大するロシア国内の板ガラス需要に対応するため、ＧＶＢ社がモスクワ地域のクリンに工場を建設します。当該地域は、モスクワとサンクト・ペテルブルグにおける建築及び自動車関連産業の一大消費センターであり、新設工場の生産能力は日産約６００トンです。また同時に、年約５００万m²の生産能力を有するミラー製造設備も建設されます。投資額は合わせて約１億３,０００万ユーロで、本年７月に着工し、２００４年には生産を開始する予定です。

　当社は本年４月、グローバル規模でのグループ連結経営を強化するためカンパニー制を導入し、「板ガラス」「自動車ガラス」「ディスプレイ」「化学品」の４カンパニーを設置しました。

　板ガラスカンパニー（本社：ブラッセル、プレジデント：リュック・ヴィラム）には、日本・アジア、ＧＶＢ社、ＡＦＧ社それぞれの板ガラス事業が統合され、完全なグローバル一体運営体制に移行しています。

　カンパニー制においては、それぞれカンパニープレジデントが明確な責任と権限の下、迅速な意思決定を行い、より自立的な事業運営をグローバルに行うことが期待されますが、本件は、グローバル全体最適を意図した新体制における初の大型投資案件となります。

　板ガラスカンパニーでは、リュック・ヴィラムプレジデントの指揮のもとで、今後も需要地における積極的な事業展開を図りながら、さらなるグローバル一体運営を加速、確立していきます。

以　　　上

（ご参考）

１．板ガラスカンパニーの概要
板ガラスカンパニーは、全世界に３５のフロート板ガラス製造拠点、約２０％の世界シェアを有しており、板ガラス分野で世界トップクラスです。 従業員数は約２７,５００人、年間売上高は約３６億ユーロです。ＡＦＧ社は、北米における建築用ガラスの最大のサプライヤーで、８工場１０ラインを有しています。ＧＶＢ社は、ロシアからスペインまで欧州全域にわたり１５のフロート工場を保有しています。

２．AFGインダストリーズ社の概要（主な指標は2001年12月期）

３．グラバーベル社の概要（主な指標は2001年12月期）

４．ビトロ社の概要