2002年07月02日製品リリース

ギガビット伝送プラスチック光ファイバー専用の光情報コンセント・プラグを共同開発

 松下電工(株)(本社:大阪、社長:西田一成)、三和電気工業(株)(本社:東京、社長:石井卓爾)、旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)の3社は、共同で、旭硝子の全フッ素樹脂光ファイバー(製品名:ルキナ)専用のマンション・オフィス向け光情報コンセント及びプラグを開発しました。ルキナによる「FTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)」の加速を目指し、3社が工事込みで物件対応の受注活動を開始します。

 高画質動画映像等の大容量の情報を、オフィスや家庭にある端末で自由に楽しめるようになるギガビットブロードバンド時代の到来が間近に迫っています。パソコン、オーディオ、ビデオ、ゲーム機などの情報端末に大量の情報を取り込んだり、端末同士で情報をやり取りするためには、毎秒ギガビット程度の大容量伝送が可能な光通信によるネットワーク化が必要です。日本においても、幹線系の光化は現在概ね完了していますが、いわゆる「ラスト1マイル(電柱から家庭・オフィス、さらに個々の端末まで)」についてはまだ手が付いていないのが実状です。

 個々の端末機器を光通信ネットワークに対応させるには、高速大容量の光ファイバーが必要なことはもちろんですが、機器を光ネットワークに接続する光コンセント及び光プラグの存在が欠かせません。
光ファイバーにおいては伝送速度、施工性、安全性等に優るルキナが屋内の超高速ネットワーク向けに注目され始めており、これを電話のモジュラジャックのような感覚で着脱が容易にできる光コンセント及び光プラグの開発が求められてきました。

 そこで、松下電工、三和電気工業、旭硝子の3社が共同で、ルキナ専用光コンセント・光プラグの共同開発を2000年から進めてきましたが、今般、これらの開発に成功したものです。

 今回開発した光コンセント・光プラグの特長・仕様は以下の通りです。

  光コンセント(松下電工製造) 光プラグ(三和電気工業製造)
製品名 光情報コンセント 光情報プラグ
特長 MU型
敷設施工性・接続工事性・安全性が高い
意匠性が高い
専用簡易工具で接続が可能(動力不要)
接着剤を使用しない
防塵対策済み
プラグの挿抜は壁面と平行
JISボックスが使用可能
ファイバー先端保護措置済み
脱着が容易
仕様 外形サイズ:60mm×28mm
色:白、乳白色
外形サイズ:45mm×14mm
色:白、乳白色
壁からの張り出し高さ23mm以下

今回開発した光コンセントについては、ルキナを用いた実証実験(ご参考4(2)参照)が実施される三井不動産のマンション(「パーク・ハイム自由が丘二丁目」:本年3月末に竣工)に既に施工したほか、今後ルキナの採用が進むマンション、オフィス、学校への設置を目指すとともに、3社では、3年後、年間10億円程度の市場規模となると想定し、光ファイバー用コンセント・プラグの普及を目指します。

また、光コンセント・光プラグについては高品質・高信頼性を要求する通信で実績があるMUコネクタの構造を継承し、接続作業においては接着剤を使用しない方式とし現場作業の効率化、安全性を配慮しています。端面研磨についても、特殊な研磨機が不要な簡便な方法を採用しており、簡易研磨治具(電源不要)を同時に開発しています。

ネットワークを構成する上で不可欠なO/E変換モジュール(トランシーバー)も、ギガビットイーサネットに準拠製品を三和電気より近日販売を開始します。

以   上


◎報道機関お問合わせ先

松下電工(株) 東京本社広報部
大阪本社広報部
TEL:03-3452-9654
TEL:06-6909-7187
三和電気工業(株) 営業本部 課長  丸田 善実 TEL:03-5213-3030
E-mail:eigyo@snwd.co.jp
旭硝子(株) 広報室長 井本 健一(担当:桜井) TEL:03-3218-5243
E-mail:info-pr@om.agc.co.jp

◎一般お問合わせ先
松下電工(株) 情報機器分社 配線器具事業部
営業企画部

TEL:06-6908-1131(大代表)
三和電気工業(株) 営業本部 課長  丸田 善実
E-mail :eigyo@snwd.co.jp
TEL:03-5213-3030
URL http://www.snwd.co.jp/
旭硝子(株) ルキナ事業推進部営業グループ
吉田 僚太
E-mail:info-lucina@om.agc.co.jp

TEL:03-3218-5813
URL http://www.agc.co.jp/

<ご参考>
1. 三和電気工業株式会社

   本社所在地 東京都中野区中野4−15−9
   資本金 6,300万円(2001年9月現在)
   事業内容 情報通信機器、電子応用機器、産業機械機器などに用いる
各種コネクター、モジュ−ル、端子版類の開発、製造、及び販売
   年商 約90億円(2001年9月期実績)
   設立 1947年
   株主構成 石井卓爾 他
   従業員数 420人(2001年9月現在)

2.松下電工株式会社

   本社所在地 大阪府門真市大字門真1048
   資本金 1,252億円(2001年11月現在)
   事業内容 照明・配線の電設資材、住設建材など建築関連資材、
プリント配線板や制御機器などの電子部品の製造、及び販売
   年商(連結) 1兆1,993億円(2001年11月期実績)
   設立 1935年
   株主構成 松下電器産業、日本トラスティ信託・サービス信託銀行、
日本生命保険相互会社、三井住友銀行、あさひ銀行
   従業員数 16,268人(2001年11月現在)

3.旭硝子株式会社

   本社所在地 東京都千代田区有楽町1−12−1
   資本金 904億円(2001年3月現在)
   事業内容 各種ガラス製品、化学品、エレクトロニクス関連部材の
製造及び販売
   年商(連結) 1兆3,128億円(2001年3月期実績)
   設立 1950年(創立1907年)
   株主構成 明治生命保険相互会社、日本生命保険相互会社、
東京三菱銀行 東京海上火災保険
   従業員数 48,809人(2001年3月現在)

4.用語説明

(1) 全フッ素光学樹脂光ファイバー「ルキナ」(製品名。ラテン語で「光の女神」の意。)
旭硝子が開発した透明フッ素樹脂を素材に用いて製品化した光ファイバーで、以下の特長を持つ。
一昨年6月に販売開始して以来、オフィスビル、病院、高層マンションなどの各分野で約100件の採用実績がある。
【「ルキナ」製品情報】
http://www.lucina.jp/lucina/
1. マルチモード石英光ファイバーの性能をしのぎ、100mで10Gbps(毎秒10ギガビット)の高速伝送が可能。次世代のネットワーク規格である10ギガビットイーサネットに対応できる高速性を発揮する。
2. 柔軟性・簡易接続性を有し、接続作業に要する時間は石英光ファイバーの10分の1になるため、全配線コストの最も大きなウェイトを占める接続コストを大幅に削減できる。
3. 現在のネットワーク規格である1ギガビットイーサネットや100メガビットイーサネットの市販LAN(Local Area Network)機器にそのまま使用可能。このことは、樹脂系ファイバーとしては世界初。次世代の10ギガビットイーサネットを見越した全光LAN配線の構築が今すぐにでも可能。
(2) 高速大容量プラスチック光ファイバー(GI-POF)を用いた実証実験
社団法人日本テレワーク協会が経済産業省から委託を受け、本年3月より来年3月末まで実施する、 高速大容量プラスチック光ファイバー(ルキナ)を用いた実証実験。マンションや小学校、大学内に GI-POFを敷設し、超高速ネットワークシステムを家庭内や教育施設内に導入すると、生活や教育に おける質的向上にどれだけ貢献できるかを検証する。
(3) MU型コネクター
光通信装置(交換機・伝送装置等)に使用されているコネクタで小型、高密度で長期信頼性に富んだコネクタでありJIS規格・IEC規格(International Electrotechnical Commission))等に制定。
(4) O/E変換モジュール(トランシーバ)
光信号を電気信号に変換するモジュールと電気信号を光信号に変換するモジュールを一体化した製品(トランシーバ)で光接続部分はMU型コネクタと実装互換性がある。

<参考写真>

光情報コンセント・プラグ

以   上