2002年07月04日製品リリース
プロサイド・旭硝子が共同で、高画質な動画をリアルタイムで送受信できるデジタルビデオ伝送システムを開発
プロサイド(株)(本社:千葉県千葉市、社長:椎名 堯慶)と旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津 進也)、の両社は共同で、高画質な動画をリアルタイムで簡単に送受信できる「デジタルビデオ伝送システム」 (型名:DV1000SX/DV100TX)を開発し、7月5日より販売を開始します。
本システムは、主要機能を持つハードウェアと送受信をコントロールするソフトウェアで構成されており、デジタルビデオデータをIPネットワーク上で伝送することができます。本システムを既存のLAN環境やインターネット環境に接続することで、高画質な動画をリアルタイムで送受信することができます。FTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)等の本格的なブロードバンド時代に突入している昨今、本システムと超高速回線を併用することで、遠隔地間でストレスのないコミュニケーションを実現できます。
本システムの用途としては、ビジネスユースはもちろん、医療・介護、教育、共同研究開発、映像制作、セキュリティー等の多岐にわたる分野で、様々な利用方法が考えられます。
具体的な例としては、以下に示す通りです。
- ホワイトボードやプロジェクタを使った遠隔TV会議
- サンプル商品を見ながらの遠隔商品企画会議
- マルチキャストを利用した遠隔講義・講習会(E-learning)
- 学校やオフィスにおける映像付の構内放送システム
- 映像を撮影しながら同時配信し、そのまま同時ノンリニア編集
- 高画質な映像で遠隔医療のサポート
- オフィスビル・学校・マンション等の監視システム 等
遠くにいながら必要な情報を目と耳で確実に取得することが可能な為、時間・コストを大幅削減し、大きなメリットを生み出すことができます。
従来は、伝送容量の不足、及び既存のプロトコールはデジタルビデオデータ等の連続データをIPネットワーク上にのせるのに不向きだったことから、信号を圧縮処理して伝送をする必要があり、伝送遅延や画質の低下が避けられませんでした。本製品は、WIDEプロジェクト(代表:慶應義塾大学 村井 純教授)にて開発されたアプリケーションソフト<DVTS>を利用することでデジタルビデオデータをIPネットワーク上に載せることが可能となり、リアルタイムで高画質動画の送受信を簡単に行うことが可能となったものです。また、製品化に当り、ハードディスクを用いない構造や新開発のソフトウェアであるGUIの採用により、信頼性や使い勝手の向上を図っています。
今回開発したDV1000SXの特徴・仕様は以下の通りです。
(1) | デジタルビデオカメラとTV・PDPを接続し、DV1000SXの電源を入れるだけで、簡単に高画質画像の送受信が可能。 |
(2) | 従来必要であった高価な映像配信サーバーや伝送機器が不要。 |
(3) | デジタルビデオデータを圧縮する事無くそのまま送受信できるので、高画質かつリアルタイムなコミュニケーションを実現。編集や蓄積も容易です。 |
(4) | ユーザーは、送受信をコントロールするソフトウェア(GUI:グラフィカル・ユーザー・インターフェース。Webベースで開発)により、ネットワークで接続されているパソコン画面を見ながら簡単に操作を行うことが可能。 |
旭硝子は、ギガクラスの超高速伝送が可能な全ふっ素樹脂光ファイバー「ルキナ」を開発し、オフィス LAN、SAN及びインターネットマンション向けに施工販売しています。オフィス・マンション内の端末までのルキナ利用の促進を図るため、ギガクラスの光ファイバーが引かれた場合に可能となる双方向のリアルタイム動画のやり取りを利用できる様々なアプリケーションを充実したいと考えており、プロサイド社と共同で、DV1000SXの開発を進めてきました。
プロサイドは、15年にわたり、パソコン・サーバの開発製造を行ってきましたが、昨今映像情報ビジネスが大きく進化すると予測し、2000年から映像情報ビジネスへも取り組み始めました。ITCSカンパニーの設立や日本初のウェッブキャスティング専門店Digi-Castの設立といった映像情報ビジネス専門部門を設立するとともに、DV映像をノンリニア編集からDVDオーサリングまでをワンパッケージシステムにしたDVDigや映像蓄積に必要な大容量ストレージFormuNASの開発などを行ってきました。今後は簡単に映像配信可能なシステム開発が重要と考え、今回のDV1000SX開発に取り組んできたものです。
今回の開発では、プロサイド社は機器及びソフトの設計を、旭硝子は商品開発とマーケティングを担当しました。
製造は、プロサイド社の国内工場で行います。
販売は、旭硝子が行い、企業・官公庁・教育機関・医療機関向けを中心に、初年度は3億円、5年後30億円の売上を目指します。
本システムを、プロサイド社が、7月3日から5日まで、幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催されている「インターロップ2002TOKYO」に、参考出展しています。
以 上
◎本件問合わせ先
プロサイド(株) | ITCSカンパニー 蓼原 誠 E-mail itcs@proside.co.jp |
TEL 043-279-3565 |
旭硝子(株) | 広報室 波多野 弥生 E-mail info-pr@om.agc.co.jp) |
TEL 03-3218-5915 |
◎製品に関する問合わせ先
プロサイド(株) | ITCSカンパニー 蓼原 誠 E-mail itcs@proside.co.jp |
TEL 043-279-3565 |
旭硝子(株) | ルキナ事業推進部 営業グループ 吉田 僚太 E-mail info-lucina@om.agc.co.jp |
TEL 03-3218-5813 URL http://www.lucina.jp/lucina/ |
参考資料
- プロサイド株式会社
本社所在地 千葉市美浜区真砂1-8-2 資 本 金 522百万円(2002年3月現在) 事業内容 サーバー及びパソコンに関するハードウェア開発、製造、販売
インターネットソリューションの提供及びコンサルティング設 立 1987年5月21日 従業員数 98人(2002年4月現在)
- 用語説明
(1) IP(インターネット・プロトコール)
TCP/IPプロトコル群のひとつで、パケット転送の機能を規定するネットワーク層のプロトコル。
IP は、トランスポート層データ・パケットの信頼性を保証しないコネクションレス転送を提供する。IP では、パケットは分割されてWAN 上の複数の異なるパスを経由して送信され、送信先で適切な順序で組み立て直される。
(2) イーサーネット
コンピュータ,プリンタ,端末などの装置を接続するローカル・エリア・ネットワーク。現状のLANの主流。10Mbpsまたは100Mbpsの速度でデータを転送する。
(3) WIDE プロジェクト
オペレーティングシステム技術と通信技術を基盤とした新しいコンピュータ環境の確立をめざし1988年にスタートした研究プロジェクト。学生、大学関係者、企業の研究者を中心とした670余名の研究者が参加しており、実際の研究活動は、ワーキンググループとして、それぞれの課題を研究。1992年にWIDE Projectがホストを務めた、INET`92神戸以来、NetWorld+Interop、INET、InternetWeek、Global IPv6 Summitといった国際会議を積極的に日本に招致し、国際的な視点に立って日本でのインターネット普及に努め、2002年7月には、アジア圏では初めてのIETF Meeting「54th IETF」も開催される。 代表は、慶應義塾大学環境情報学部、村井 純教授アプリケーション例(図解) (98KB)