2002年07月18日経営リリース
TFT―LCD用ガラス基板製造能力を増強
旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)は、TFT−LCD(薄膜トランジスタ方式液晶ディスプレイ)用ガラス基板の製造能力を増強することを決定しました。今回の増強では、関西工場におけるガラス基板製造窯の新設、及び台湾でのガラス基板研磨ラインの増設を行います。 本年8月より着工し増強完了は2003年10月の予定です。総投資額は約170億円を見込んでいます。尚、今回の増強により総生産能力は、ガラス基板製造窯4基フル稼働時1000万m2/年になる予定です。
TFT−LCDの需要は、ノートPC用途が今後も順調に増加する上、PCモニター用途においてもノートPC以上の増加が予想され、加えてTV用途も本格的な立ち上がりが期待されることから、2005年頃までは年率30%程度増加するものと見込まれます。またTFT−LCDパネルメーカーは、大型の基板を利用したコストダウンを意図しており、今後は1m角以上の「第5期サイズ」ガラス基板が主流になると言われています。
当社のガラス基板は、他の基板メーカーとは異なりフロート法で製造しており、大型の基板を大量に生産するのに適しています。TFT−LCDの需要増加と、TFT−LCD用ガラス基板の大型化要求は、当社がさらに本事業を拡大し、TFT−LCD用ガラスでの「Global NO.1」を目指す、大きなビジネスチャンスであると捉え、TFT−LCD用ガラス基板の製造設備能力増強を決定しました。今回行う能力増強の内容は以下の通りです。
- ガラス基板製造窯の新設
当社として4基目に当たるTFT−LCD用ガラス基板製造窯を関西工場(兵庫県尼崎市)に新設します。新設窯は主に1m角以上の超大型ガラス基板をターゲットとしており、超大型サイズ基板の効率的な複数列生産を行うため、約4m幅でのガラス基板製造を可能にしました。この窯の製造能力は、弊社既存製造窯の2倍弱の400万m2/年であり、設備投資額は約120億円です。 - ガラス基板研磨ラインの増設
2001年に研磨ラインを稼働させている旭硝子ファインテクノ台湾社(斗六市、出資比率100%)において、第5期サイズのガラス基板をターゲットとしたTFT−LCD用ガラス基板研磨ラインを増設します。新ラインの設備投資額は約50億円です。日本国内の旭硝子ファインテクノ社(山形県米沢市、出資比率100%)でもTFT−LCD用ガラス基板の研磨を行っていますが、今後TFT−LCDパネルの生産量が台湾において大幅に増加すること、また台湾のTFT—LCDパネルメーカーが日本国内に先行して第5期サイズのガラス基板を採用する見込みであることから、台湾で増設を行うことにしたものです。
当社は、ガラス基板の大型化に適した製法「フロート法」の特長を活かし、増加する需要に対応することで、TFT−LCD用ガラス基板事業の拡大を進めます。
以 上
<ご参考>
1.当社製TFT−LCD用ガラス基板の特徴について
(1) | 当社は、TFT−LCD用ガラス基板の製造プロセスにフロート法を採用している世界で唯一のガラスメーカーです。フロート法で生産され、1998年に上市した当社製品「AN100」の大きな特徴は、以下の通りです。
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(2) | 今後TFT−LCD業界で主流化する第5期(1m角以上のサイズ)ラインで使用される大型ガラス基板に求められる特性を充分に備えている商品が「AN100」であり、当社のお客様からも非常に高い評価を得ています。 | |||||||||
(3) | 当社の「AN100」は製造工程で有害物質であるAs2O3(亜砒酸)Sb2O3(アンチモン) を使用していない唯一のTFT—LCD用無アルカリガラス基板であり、環境問題にも充分な配慮をした製品です。 |
2.旭硝子ファインテクノ台湾社の概要
(1) | 商号 | 旭硝子發殷科技股イ分有限公司 [英名:Asahi Glass Fine Techno Taiwan Co., Ltd] |
(2) | 本社及び工場所在地 | 台湾 斗六市 |
(3) | 表取締役社長 | 熱田 正次 |
資本金 | 1149 million New Taiwan$ | |
株主 | 旭硝子(株) | |
営業品目 | TFT−LCD用ガラス基板 | |
設立年月 | 2000年7月 | |
従業員数 | 132名 |
3.旭硝子のTFT-LCD用ガラス基板製造フロー
- ◎本件に関するお問い合わせ先
- 旭硝子(株) 広報室長:井本健一
- 担当:波多野
- TEL: 03-3218-5915
- E-mail: info-pr@om.agc.co.jp