2002年09月30日製品リリース

情報表示のできるガラスを開発

 旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)は、情報表示のできる2種類のガラスを新たに開発しました。今後主に店舗やアミューズメント施設に向けて用途を提案し、市場の開拓を行います。

 旭硝子は本年4月にグループビジョン"Look Beyond"を策定し、開口部材・表示部材・エレクトロニクス&エネルギー部材の3つの主要事業領域に経営資源を集中することを決定しましたが、今回新たに開発した2種類のガラスは、表示部材であると同時に、透明であるという特徴から窓などの開口部材として利用することが可能です。
ガラスが採光と同時に"情報発信"の機能を持つことで、窓など開口部の概念が大きく変ることが期待されます。

 今回開発したガラスは以下のとおりです。

1.トランスマート?U(仮称)
透明なガラスに任意の文字や図形を表示することを初めて可能にした製品です。液晶を2枚のガラスで挟んだ構造となっており、電気信号で書き込みを行ないます。表示部分がすりガラスの状態となりますが、透明な部分とのコントラストはどの角度から見ても変りません。書き換えは何度でもできますが、一度表示した情報が電気を流さなくても維持されるため、わずかな電力で使用できます。照明との組合せや開口部への設置によりこれまでにない新しい表現が可能です。

2.トランスマート?T(仮称)
通常は窓ガラスと同等の透明性を持っていますが、電圧を加えることで瞬時にすりガラス状態に変化します。トランスマート?Uと同様液晶を2枚のガラスで挟んだ構造となっていますが、従来の液晶調光ガラス(注)が電圧を加えることにより透明状態となるタイプであるのに対し、これとは正反対の性質を有しています。また、従来の液晶調光ガラスは透明状態での光透過率が70%と低いため全体に曇った印象があり、特に斜めから見ると濁って見えることが問題でしたが、このトランスマート?Tは透明状態での光透過率が窓ガラスと同等の90%以上となっています。この優れた透明性と高速切り替えを生かし、複数枚を重ねて投射表示用スクリーンとして使用すれば、遠近を連続的に切り替えることにより投影する動画に臨場感を与えることができます。
(注)液晶調光ガラス:液晶の働きにより光の透過率を制御できるガラス。

<ご参考>
今回開発した2つのディスプレイは、10月1日〜5日に幕張メッセで開催されるCEATEC JAPAN 2002に当社関係会社であるオプトレックス株式会社への協賛として出展しています。
CEATEC JAPAN 2002(シーテック ジャパン 2002)
*Combined Exhibition of Advanced Technologies- Providing Image, Information and Communications

参考写真

トランスマート?U(仮称)

◎本件に関するお問い合わせ先
旭硝子(株)広報室長:井本 健一
担当:波多野
TEL: 03-3218-5915
E-mail: info-pr@om.agc.co.jp