2003年06月19日経営リリース
TFT−LCD用大型ガラス基板の製造能力増強— 大型液晶TV用の需要増に対応 —
旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)は、このたびTFT−LCD(薄膜トランジスタ方式液晶ディスプレイ)用の大型ガラス基板の製造能力を増強することを決定しました。台湾にガラス基板製造窯、関西工場に大型ガラス基板対応の研磨ラインを新設します。
総投資額は約180億円を見込んでいます。本年7月〜8月に着工し、窯の量産開始は
2004年9月、研磨ラインの量産開始は2004年1月の予定です。なお、今回の投資により総生産能力は、京浜工場の3窯、現在建設中の関西工場の窯を含め、ガラス基板製造窯5基フル稼働時1400万m2/年となります。
現在、TFT−LCDの需要はこれまでの予想を上回る伸びを示しており、PC用途に加えTV用途でも需要が本格化するため、今後も年率25%以上の増加が見込まれます。また、パネルがより大型のものにシフトしていることから、ガラス基板の需要はパネル台数を上回る規模で増加すると考えられます。
さらにTFTパネルメーカーが、大型基板を利用した大量生産によるコストダウンを意図して、1m角以上の第5世代サイズのガラス基板導入を始め、さらに大きな第6、第7世代サイズのガラス基板を用いた生産を目論んでいることから、大型を中心に基板の不足が懸念されています。
一方、旭硝子のTFT−LCD用ガラス基板は、他の基板メーカーとは異なり、大型基板を大量に生産するのに適したフロート法で製造しています。また、たわみが少ない、パネル製造時の熱による収縮が少ないなどの特徴を持つ他、環境への関心の高まりと共に、砒素・アンチモンを含まない'環境に配慮したガラス'としてもパネルメーカーから高い評価を得ています。
旭硝子は、大型基板の需要が高まるこの機を捉えて本事業での「Global NO.1」を目指し、製造能力増強を決定いたしました。今回行う能力増強の内容は以下のとおりです。
○ガラス基板製造窯
旭硝子ファインテクノ台湾社(斗六市、出資比率100%)において、TFT−LCD用ガラス基板製造窯を新設します。新窯の能力は本年10月に稼動予定の関西工場の窯と同等の400万m2/年であり、超大型サイズ基板を効率的に生産するため、関西工場の窯同様約4m幅でのガラス基板製造が可能なものとしています。
今後成長が期待される台湾パネルメーカーの要求にタイムリーに応えるため、旭硝子として初めてTFT−LCD用ガラス基板製造窯を海外に設置します。設備投資額は約130億円です。
○ガラス基板研磨ライン
関西工場(尼崎市)に第6世代サイズのガラス基板に対応する大型基板研磨ラインを新設します。2004年から量産が見込まれる国内パネルメーカーの新工場へのタイムリーな基板供給が可能となります。設備投資額は約50億円です。
<ご参考>
1.当社製TFT−LCD用ガラス基板の特徴について
当社は世界で唯一、TFT−LCD用ガラス基板の製造プロセスにフロート法を採用しています。1998年に上市した「AN100」の大きな特徴は、次の通りです。
(1) | 大型ガラス基板を大量に且つ安定的に供給できる。 | ||||
(2) | 今後TFT−LCD業界で主流化する第5世代(1m角以上のサイズ)以上のラインで使用される大型ガラス基板に求められる特性を充分に備えている。
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(3) | 製造工程で有害物質であるAs2O3(亜砒酸)Sb2O3(アンチモン)を使用しない唯一のTFT—LCD用無アルカリガラス基板であり、環境問題にも充分な配慮をしている |
2.旭硝子のTFT-LCD用ガラス基板製造フロー
ガラス基板製造窯 | 研磨 | |||||||||
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*関西工場、旭硝子ファインテクノ台湾の窯は約4m幅でのガラス基板製造が可能となります。
4.旭硝子ファインテクノ台湾社の概要
(1) | 商号 | 旭硝子發殷科技股イ分有限公司 [英名:Asahi Glass Fine Techno Taiwan Co., Ltd] |
(2) | 本社及び工場所在地 | 台湾 斗六市 |
(3) | 代表取締役社長 | 村山 武靖 |
(4) | 資本金 | 1320million New Taiwan$ |
(5) | 株主 | 旭硝子株式会社 |
(6) | 営業品目 | TFT−LCD用ガラス基板 |
(7) | 設立年月 | 2000年7月 |
(8) | 従業員数 | 272名 |
- 本件に関するお問合わせ先
- 旭硝子(株)広報室長 川上 真一
- 担当:波多野
- TEL: 03-3218-5915
- E-mail: info-pr@om.agc.co.jp