旭硝子(株)（本社：東京、社長：石津進也）は、自動車用安全ガラスの製造・販売を行う秦皇島海燕安全玻璃有限公司（所在地：中華人民共和国河北省秦皇島市）のパートナー持分を買取り、１００％子会社にすることで合意に至り、さらに、同市経済技術開発区において最新設備を備えた工場を建設することに致しました。

　中国経済は、１９９２年以来年率８％を越える堅調な経済成長が続き、２００２年のＷＴＯ加盟後更に成長が加速しています。とりわけ自動車業界に関しては、国内需要の急増により、２００２年には自動車生産台数が３２５万台と前年比３８．５％増を記録しており、本年には４００万台を突破し、米国、日本、ドイツに次ぐ世界第４位の生産国の位置を占めると予想されています。公共投資により急速に進む道路整備と個人所得の堅調な伸びに支えられて、自動車販売は急速に成長しています。中国の市場規模・高い成長力が牽引力となり、グローバル自動車メーカー各社も競って中国を最優先の市場と位置付け、新モデルの投入を計画・発表しています。

　旭硝子は、中国市場におけるお客様からの要求に応えて、中国市場で更に自動車ガラス事業を拡大するため、日本・アジア大洋州地域の成長戦略を検討する一環として、様々な戦略を検討してまいりました。その結果、最も経済合理性のある方策は、現在合弁会社として運営している秦皇島海燕社の年産４０万台の能力をまず１００万台超の規模に引き上げ、日本・アジア大洋州地域の主要な生産拠点とすることであるとの結論に達しました。同時に、中国の生産基地をグローバルな戦略と一体化して運営するため、秦皇島市政府と交渉し、現在の合弁パートナーである秦皇島鋼化玻璃廠（国営企業）の所有する４８％持分を買取ることで合意に至りました。

　買収完了後(２００３年７月予定)は、秦皇島市経済技術開発区に最新かつ世界的に通用する厳格な環境基準に則った生産工場を建設し、旭硝子の最新鋭の設備技術を導入して、国内のＯＥＭ用及び補修用のお客様に対応できるように致します。新工場の建設は２００４年第３四半期には完了し、フル生産時には秦皇島地区で約９００名の従業員を雇用する予定です。第一期の総投資額は５０百万米ドル超（約６０億円）を予定しています。

　この中国新工場プロジェクトは、自動車ガラスカンパニーのビジョンである「最も信頼される自動車部品メーカーになるということ」及びミッションである「お客様の事業を改善することにより、株主価値を創造していくということ」に沿ったものです。当社としては、中国のお客様が求める最高の品質・サービスを提供し、中国及び秦皇島地域の経済発展に引き続き貢献して行こうという約束を改めて確認するものです。今回のプロジェクトは中国の自動車ガラス市場における主要なポジションを確保するための第一歩であり、今後については、注意深く市場の動向を見極めながら、秦皇島市又は中国内の他地域にて事業を拡大する準備を進めて行く所存です。

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