2003年11月06日製品リリース

ガラス溶解炉用電鋳煉瓦でR.H.I.社(オーストリア)と販売提携

 旭硝子セラミックス株式会社(本社:東京、社長:工藤栄一)は、2003年10月20日、世界最大の産業用耐火物メーカーであるR.H.I.社(本社:オーストリア、ウィーン)との間で、ガラス溶解炉用電鋳煉瓦のアジア及び欧州での販売提携に関する契約に調印しました。電鋳煉瓦は、一般の耐火物と比べ耐食性と耐摩耗性に優れた耐火物で、ガラス溶解炉、製鋼加熱炉、焼却炉等の炉材として広く使用されており、用途に応じて様々な品種があります。

 

当社は、2002年4月1日に旭硝子株式会社のセラミックス事業部門を会社分割することにより設立された、同社の100%子会社で、ガラス産業及び環境・エネルギーの分野(焼却炉、鉄、セメント、非鉄等を含む)において、ここ10年間は中国への投資を積極的に推進する等、耐火物を初めとした様々な関連ソリューションを海外にも提供しています。
 一方、R.H.I.社は、耐火物事業を中核とし製造・販売面でグローバルな事業展開を行い、R.H.I.ブランドの下に、世界のリーダー的存在となっており、世界中のお客様からその経験と専門性を高く評価されています。

 

従来、電鋳煉瓦について、当社はアジアの、R.H.I.社は欧州のガラスメーカーにそれぞれ自社製品を販売していましたが、それぞれの製品ラインアップの拡充と販売エリアの拡大を目的として、販売提携に至りました。今回の販売提携の骨子は次の通りです。

1) 当社は、R.H.I.社の製造するモリブデン入りジルコニア系電鋳煉瓦を、アジアで販売する。
2) R.H.I.社は、当社の製造するアルミナ系電鋳煉瓦及び電子ガラス製造用高純度ジルコ二ア系電鋳煉瓦を、欧州で販売する。
 

今回の販売提携により、電鋳煉瓦の品揃えが相互に補完され、お客様であるアジア及び欧州の各種ガラスメーカーのご要望に応じ電鋳煉瓦の全品種をタイムリーに供給することが可能となります。当社にとっては、欧州及びアジアでの販売強化により、事業のグローバル展開が更に前進することとなり、2004年度には年間10億円の売上増加を目指します。

【用語解説】

1. 電鋳煉瓦
精選された原料を目標成分に応じて調合し、電気炉で完全に溶融した後、所定の形状の鋳型に鋳造することによって製造される耐火物。1920年代に米国で開発され、ガラス窯の長寿命化とガラス品質の向上に大きな成果をもたらした。
今日のガラス窯に使用される耐火物の大部分はこの電鋳煉瓦である。
2. モリブデン入りジルコニア電鋳煉瓦
金属モリブデンを電鋳煉瓦の中に組み込ませる事により、モリブデンを酸化させる事無く高温でガラスと接触させ、ガラスに対する耐食性を強化した電鋳煉瓦。
3. アルミナ電鋳煉瓦
酸化アルミの成分が93−99.5%と極めて純度の高い電鋳煉瓦でガラス汚染性に優れており、ガラス溶解窯の最終工程で使用される。
4. 電子ガラス製造用高純度ジルコニア系電鋳煉瓦
液晶等ディスプレイガラス溶解窯の重要な部分に使用され、ガラス汚染性と耐食性の両面で他の電鋳耐火物より優れている。

【企業概要】

旭硝子セラミックス社

本社 東京都港区芝4−1−23三田NNビル6階
代表者 工藤 栄一
資本金 35億円
売上高 260億円(連結)
製品品目 耐火物及びエンジニアリング
従業員 約800名

R.H.I.社

本社 オーストリア、ウィーン
代表者 Hermut Draxler (CEO)
資本金 188億円
売上高 1,800億円
製品品目 耐火物及び建築用断熱材
従業員 7,800名
◎本件に関するお問い合わせ先
旭硝子セラミックス(株)営業統括部
担当:山口
TEL: 03-5442-9177
E-mail: tomokazu-yamaguti@agc.co.jp