2005年06月15日経営リリース
ハードディスク用ガラス基板事業への参入を決定
旭硝子株式会社(本社:東京、社長:門松正宏)は、本年度からの中期経営計画 “ JIKKO-2007 ” において、エレクトロニクス&エネルギー領域で本格的に事業を展開することとしています。今般、その一環として、デジタル家電などに用途が広がり今後も市場の急拡大が見込まれる、ハードディスク駆動装置(HDD)に使用されるガラス基板を製造・販売する事業に参入することを決定しました。HDDは携帯電話など、その機能を発揮できる分野での新しい需要も期待されます。
パソコンやカーナビゲーションシステムなどに搭載されるHDDの市場は、今後年率10%以上成長し、HDDに使用されるガラス基板の需要は年率30%程度増加することが見込まれます。最近では、デジタル家電や携帯音楽プレーヤーなどにもHDDの用途が広がっており、今後は携帯電話への搭載も急速に進んでいくことが予想されています。また、ディスクサイズでは、ノートパソコン用などで伸長している2.5インチに加え、用途拡大に伴い、1.8インチ、1インチ、0.85インチといった小型サイズへと多様化していくと同時に、ディスクの記録容量を更に大きくするために垂直磁気記録方式を採用したHDDが量産される見込みです。
当社は、液晶ディスプレイ用ガラスや半導体製造プロセス用ガラス(合成石英)など様々な精密ガラスの研磨技術を有しており、HDD用ガラス基板についても、長年に亘り、ガラス基材、円形加工、精密研磨、洗浄などの研究・開発を進めてきました。今般、これらの技術を総合的に活用し、エレクトロニクス&エネルギー事業を拡大すべく、今後成長が見込まれるHDD用ガラス基板事業に参入することとしました。HDD用ガラス基板における当社の強みは次の通りです。
(1) | お客様の製造工程で垂直磁気記録方式が採用されるケースを想定し、ガラス基板の素材として歪点が高いガラスを使用しており、高温領域に対応できること |
(2) | ガラス強化に関し、一般的に用いられる化学強化に代わる独自技術を開発したことにより、耐高温性に優れ、かつ、厚さを薄くしても強度が保てるガラス基板を実現したこと |
現在、当社国内工場において、試作・量産化を進めるとともに、2005年1月に設立した、旭硝子プレシジョンテクノロジー社(タイ王国。旭硝子100%出資)において
約20億円を投資、2005年10月に生産を開始します。これにより当社は本事業において、2007年に100億円規模の売上を目指します。
今後もお客様のご要望にお応えすべく、継続的に材料技術・研磨技術の開発に取り組むとともに、ガラス基板の需要動向を的確に捉え、積極的に事業を展開していく所存です。
以 上
<ご参考>
1.ガラス基板のサプライチェーン

2.旭硝子プレシジョンテクノロジー社の概要
(1) | 所在地 | タイ王国アユタヤ県 |
(2) | 資本金 | 194百万バーツ(約525百万円) |
(3) | 出資比率 | 旭硝子(株)100% |
(4) | 設立 | 2005年1月 |
(5) | 生産開始 | 2005年10月 |
3.当社製のガラス基板(1インチ)

- 本件に関するお問い合わせ先
- 旭硝子(株)広報・IR室長 川上 真一
- 担当:斎藤
- TEL: 03-3218-5509
- E-mail: info-pr@agc.co.jp