2005年10月06日経営リリース

英国でフッ素樹脂「フルオン(R)ETFE」の生産設備新設を決定

   旭硝子株式会社(本社:東京、社長:門松正宏)は、本年度からの中期経営計画 “ JIKKO-2007 ”において、フッ素・スペシャリティ事業を化学品カンパニーの成長事業と位置づけ、当社の強みを活かせる製品群への注力を図ることとしています。今般、その一環として、主に電線被覆材やフィルム原料として使われるフッ素樹脂ETFEの生産設備を、旭硝子フロロポリマーズU.K.(英国)において新設することを決定しました。来年1月に着工し2007年1月に建設完了、投資額は約30億円の見込みです。なお、今回の投資により、当社のETFE生産能力は約20%増となります。

   「フルオン(R)ETFE」(エチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体)は当社が1975年に世界で初めて商業生産を開始した高機能フッ素樹脂で、(1)熱可塑性のため成形加工が容易である (2)耐薬品性が優れている (3)極めて高い電気絶縁性を持っている (4)紫外線に強く、10年以上の屋外使用に耐えうる、などの特徴から、自動車・航空機・ロボットなどに使用される電線の被覆材や液体輸送チューブ、農業用ハウスのフィルムなどに使われています。

   当社は現在ETFEの生産を千葉工場と鹿島工場で行い、世界全需要の過半を製造・販売する一方で、鹿島工場において増産工事を実施し2005年9月から稼動を開始するなど、旺盛な需要に対応してきました。しかし、ETFEは、従来の用途に加え、近年は自動車向け、建材向けなどの新用途を中心に需要が急増し、需給が極めて逼迫しており、特に、ドイツ(ミュンヘン)のサッカースタジアム「Allianz-Arena(アリアンツ・アリーナ)」に当社のETFEフィルムが採用されたように、欧州におけるETFE市場が急拡大していることから、今般英国の生産拠点においてETFEプラントの新設を行うこととしました。

   今回の新設は、当社が1999年に英国ICI社から欧米のフッ素樹脂事業を買収して以来、両国拠点における初めての大型投資となります。既に現地において建設に関わる各種申請を実施しており、今後はEU等から必要な認可を得た上で、来年1月に着工する予定です。また、今回の新設にあわせて、旭硝子フロロポリマーズU.K.内にETFEなどメルトフッ素樹脂のTS(テクニカルサービス)センターを設立し、現地での営業活動を強化することとしています。

   当社はETFEの更なる需要拡大への働きかけの一環として、食品工業用途のグローバルな規格となっているFDA(米国食品医薬品庁)の認可を2005年5月に取得しました。今後も世界のETFE需要は年率5%程度で増加すると予想されており、当社はこの需要増に対応すべく適宜生産能力の増強に取り組むとともに、コアであり独自のフッ素化学技術を活かし、お客様に高品質なソリューションを提供していく所存です。

以  上

   <ご参考>

1.旭硝子フロロポリマーズU.K.(株)の概要

(1)所在地 英国ランカシャー州ソーントン・クレバリーズ
(2)資本金 12.5百万ポンド(約25億円)
(3)出資比率 AGCケミカルズアメリカ(株)100%
(4)設立 1999年9月
(5)事業内容 フッ素樹脂、フッ素ゴムの製造・販売
(6)社長 湊 崇靜
(7)従業員数 135名
本件に関するお問い合わせ先
旭硝子(株)広報・IR室長 川上 真一
担当:箕田
TEL: 03-3218-5408
E-mail: info-pr@agc.co.jp