AGCのSWガラス基板は、シリコンに極めて近い熱膨張係数を広い温度領域にわたって有する為、陽極接合によってシリコン基板と強く接合させることが可能です。主に、MEMS素子のサポート用ガラス基板やウエハレベルパッケージ(Wafer Level Packaging)に採用されています。
使用用途
- MEMS基板用ウエハレベルパッケージ
- 圧力センサ、加速度センサ
- 車載用各種センサ・計器
- 産業用各種センサ・計器
- LDパッケージ
- UVC-LEDパッケージ
- 各種光学用途
SWガラス基板
特徴
- 広い温度領域にわたって有するシリコンに極めて近い熱膨張係数
- 用途に応じて選択可能な3種類の製品ラインナップ(SWシリーズ)
- シリコンとの陽極接合に最適な熱膨張係数を有するSW-YY
- ホウケイ酸ガラスと比べて陽極接合温度を50 ~100℃ 低く設定可能なSW-YY
- 基板上へのメタルコートやエッチングによる貫通孔並びに座グリ加工なども問題なく可能
陽極接合(Anodic bonding)とは
陽極接合とは、可動イオンを含有するガラスとシリコンなどを接合させる手法です。基材を重ね合わせて加熱しながらガラスを軟化させ、シリコンを陽極として両基材間に電圧を印加すると、発生した静電引力によって基材同士が接合します。
MEMSセンサは、静電気によって生じた微量の電力でも動作するような、極めて繊細で壊れやすい構造になっています。よって、切断工程の前に、陽極接合にてガラスとシリコンを接合封止するウエハレベルパッケージが度々適用されます。
ウエハレベルパッケージを介して作製されたMEMS素子は、ガラスとシリコンの熱膨張係数の差が出力電圧の変動に影響を与える可能性が有る為、陽極接合においては、シリコンとの熱膨張係数差が非常に小さなガラスが好まれます。
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加工例
基板上へのメタル(金・クロム・チタンなど)コートや、超音波・サンドブラスト・エッチングなどによる貫通孔形成、座グリ加工なども問題なく可能です。

t = 0.2 - 0.4 (mm)
貫通穴加工例 (テーパー穴)

t = 1 - 3 (mm)
超音波加工貫通穴
約 1,000 pcs / 6 inches

t = 0.6 (mm)
座グリ (3 x 2 x h0.2)
+ 貫通穴 (4 x 1 hole)
熱膨張特性(シリコンとその他ガラスとの比較)

AGC では、陽極接合用途以外の半導体パッケージ用ガラス基板も各種取り扱っております。
半導体パッケージ用ガラス基板