AGCのファインケミカルズ事業では、1985年の事業開始以来40年以上にわたり、CMO(Contract Manufacturing Organization)およびCDMO(Contract Development Manufacturing Organization)として、医薬品原薬・中間体の受託開発および受託製造を行ってきました。最新のGMPに準拠した品質管理と安定供給を継続し、お客様の製造委託をサポートしています。一般的な有機化学反応はもちろん、フッ素を用いた反応や超低温反応まで、豊富な医薬品製造実績を有しています。
低分子医薬品原薬・中間体CDMO事業の特徴
AGC低分子医薬品原薬・中間体CDMO事業の特徴は以下の通りです。
1.グローバル展開:日本と欧州(スペイン)に製造拠点を持ち、グローバルなニーズに対応しています。
2.多様な設備:超低温反応設備や、各種サイズの反応釜(1~15m3)を備え、お客様のプロセスに合わせた最適な提案が可能です。
3.フッ素を含む有機合成技術:一般的な有機化学反応はもちろん、フッ素を用いた反応や超低温反応まで低分子医薬品製造において優れた品質を提供しています。

製造拠点・設備
当社は、原薬の製造拠点として日本と欧州(スペイン)に製造拠点を有しており、お客様のご要望に合わせた製造およびBCP(事業継続計画)対応が可能です。また各拠点で多様な設備を有しており、ラボスケール(グラムスケール)から商用スケール(トンスケール)に至るまで、医薬品原料・中間体・原薬の治験薬生産から商用生産に、柔軟に対応いたします。
<AGC千葉工場>(千葉県市原市)
- cGMP対応
- 開発段階~商用生産のAPIに対応
- 査察実績/FDA:5回(前回2023年)、PMDA:4回(2023年)
‐リスク1指摘事項なし - 環境管理レベル(洗浄度):ISOクラスD(微粒子10万/ft3)レベルのクリーンルーム保有
- OEB3対応
設備 | 材質 | 容量 | 数 |
---|---|---|---|
反応器 | グラスライニング(GL) | 1,000~15,000L | 10 |
ハステロイC | ~5,000L | 2 | |
ステンレス(SUS) | 2,000~10,000L | 4 | |
濾過器・乾燥機 | グラスライニング(GL)、ハステロイC、ステンレス(SUS) | - | 8 |
蒸留塔 | ステンレス(SUS) | 2,500~5,000L | 2 |
粉砕機 | ジェットミル(~8㎏/h)、ピンミル(15~20㎏/h) | - | 2 |




<AGCファーマケミカルズ・ヨーロッパ>(スペイン バルセロナ)
AGCファーマケミカルズ・ヨーロッパ(スペイン バルセロナ)- cGMP対応
- 開発段階~商用生産のAPIに対応
- 査察実績/FDA:6回(前回2023年)、EMA:3回(2018年)、PMDA:8回(2023年)
‐リスク1指摘事項なし - OEB4、5対応

設備 | 材質 | 容量(L) | 個数 |
---|---|---|---|
反応槽 | グラスライニング、ステンレス、ハステロイC | ~6,000 | 42 |
蒸留塔 | グラスライニング、ステンレス | ~6,000 | 5 |
遠心分離機 | ステンレス、ハステロイC、フッ素樹脂コーティング | ~550 | 12 |
パドル乾燥機 | ステンレス、ハステロイC | ~3,500 | 6 |
コニカル乾燥機 | グラスライニング、ステンレス、ハステロイ | 2,000 | 5 |
ろ過乾燥機 | ステンレス、ハステロイC | ~2,500 | 4 |
薄膜蒸発器 | ステンレス | 4m2 | 1 |
粉砕機 | ステンレス | OEB4 (1 to 10 μ/m3) | 1 |
- AGCファーマケミカルズ・ヨーロッパは、試験研究・初期治験薬製造に最適なキロラボを有しています。商用プラントと同じ思想で設計されており、現行のcGMPに厳格に準拠しています。またOEB5の取り扱い要件(0.1~1μg/m³)にも完全に準拠しています。
- 23L/50L/70Lの反応器、超低温反応を含め、最大7kgの固形物を生産できるフィルタードライヤーがあり、新薬・創薬メーカー様の医薬品開発をサポートできる体制が整っています。

<AGC若狭化学:小浜工場・医薬品工場>(福井県小浜市)
AGC若狭化学- cGMP準拠
- 出発物質および原材料
設備 | 材質 | 容量(L) | 基数 | 温度(℃) |
---|---|---|---|---|
反応槽 | ステンレス、グラスライニング、ハステロイC、レジン | 100~5,000 | 45 | -50~210 |
蒸留塔 | ステンレス、グラスライニング | ~2,000 | 2 | - |
遠心分離機 | ステンレス、レジン | ~48インチ | 8 | - |
混合乾燥機 | ステンレス、グラスライニング | 300~2,000 | 4 | - |
ろ過乾燥機 | ステンレス | 300~1,700 | 4 | - |


<AGC若狭化学:上中工場>(福井県三方上中郡若狭町)
AGC若狭化学- 中間体および原体
- 農薬製造
設備 | 材質 | 容量(L) | 基数 | 温度(℃) |
---|---|---|---|---|
反応槽 | ステンレス、グラスライニング、ハステロイC、アロイ | 200~14,000 | 49 | -45~250 |
蒸留塔 | ステンレス、グラスライニング | ~8,000 | 7 | - |
遠心分離機 | ステンレス・レジン | ~48インチ | 8 | - |
混合乾燥機 | ステンレス・グラスライニング | ~4,000 | 7 | - |

強み
各拠点における特徴的な設備、強み技術は以下の通りです。
設備 | 千葉 | スペイン |
---|---|---|
水素化反応 | < 0.8MPa | < 0.7MPa |
超低温反応 (~-100oC) | ~10m3 | ~3m3 |
蒸留 (under GMP) | 〇 | 〇 |
高薬理活性原薬製造設備(HPAPI) | OEB3 | OEB4,5 |
粉砕 | 〇 | 〇 |
強み技術 | 千葉 | スペイン |
---|---|---|
一般有機反応 (グリニャール、リチオ化、cross-coupling、アミド化、Friedel-crafts) 酸化還元反応(TEMPO酸化、次亜塩素酸酸化、Vitride、シラン還元) フッ素化技術(ハロゲン化、求核性フッ素化) | 〇 | 〇 | “F” を含むビルディングブロックを用いた新規合成法開発(ClCHF2、テトラフルオロエチレン誘導体、フッ素含有ガス) | 〇 | 〇 |
危険を伴う反応 (シアノ化、Cl2ガス) | 〇 | 〇 |
汎用性カルボン酸中間体製造法(Ni触媒を用いたCO2挿入反応) | TBD | TBD |
資料ダウンロード
製品に関するお問い合わせ・資料請求