2021年02月16日経営リリース

AGC千葉工場、5Gを見据えてプライベートLTEネットワークを導入

―2021年2月より導入開始し、スマートファクトリー化を加速―

AGC(AGC株式会社、本社:東京、社長:平井良典)は、2020年12月24日に総務省関東総合通信局より取得した、千葉工場(千葉県市原市)における自営等BWA*の無線局免許を活用し、2021年2月より同工場に自社の無線ネットワークを導入します。これにより、プラント設備をケーブル配線や人手に頼ることなく、無線センシング機器で管理することが可能となります。なお、2022年を目途に、鹿島工場においても別途免許を取得し、本システムを導入するとともに、2025年を目途に一部のプラントでは5Gへの対応を行い、化学品プラントのスマートファクトリー化を加速します。また、オペレーター業務のDX化も推進するため、本年中にスマートグラスなどの無線デジタルデバイスを導入する予定です。
敷地面積66.6万㎡の千葉工場では、基礎化学品、機能化学品、医農薬中間体・原体など多種多様な製品を製造しており、これらの製造設備を管理する配管や動機器等の数は膨大です。現在、製造設備を管理するデータは、ケーブル配線によるセンシングと、オペレーターによる巡回監視により取得しています。とりわけオペレーターが技能と経験を活かしながら現場の見回りを行うこの巡回監視は多大な労力を要します。

今回の自社無線ネットワーク導入により、製造設備に関するデータは、通信事業者の提供するLTEネットワークと同等の品質でありながら、より安全な、プライベートLTEネットワークでの取得に集約する計画です。プライベートLTEネットワークの導入により、巡回監視・点検作業の効率化に加え、一元化されたデータの参照が容易となるため、より安全な生産活動が実現できます。プライベートLTEネットワークをさらに活用し、プラントデータ取得方法とその解析技術を向上させるため、無線センシング技術の開発も進めています。
また、このプライベートLTEネットワーク上で、スマートグラスやタブレットなどのデジタルデバイスやアプリケーションの活用も進める予定です。これにより、工場のどこからでも、作業手順、点検・画像記録等にアクセス可能な環境が実現し、オペレーター業務における作業の効率化、画像・動画などを活用することによるオペレーター間のコミュニケーション円滑化、技術伝承の促進などが期待されます。

AGCグループは、経営方針 AGC plus 2.0 のもと、デジタル技術を活用しビジネスプロセスの変革を行う”スマートAGC”を推進しています。製造・研究開発・営業等あらゆる業務のビッグデータを活用し、業務の更なる効率化やお客様への新たな付加価値の提供を目指していきます。
<注釈>
* 自営等BWA(Broadband Wireless Access)は、主に自治体むけの無線通信サービスを提供している地域BWA用に割り当てられている2.5Ghz帯の帯域を、企業などが特定のエリアにてLTE通信規格の自営無線で利用するネットワーク。携帯電話事業者で利用されているLTEシステムと同様にSIMカードによる端末管理によりセキュアな通信環境を実現し、高速通信(下り最大110Mbps)と広域電波カバー範囲(約2km)を実現します。導入にあたっては、総務省より免許を取得する必要があります。
総務省HP:ローカル5G導入に向けたガイドライン
https://www.soumu.go.jp/main_content/000659870.pdf
■ご参考
本ネットワークは、2021年より本格展開を開始する化学品プラント運転一括管理システム「CHOPIN」と連携します。
◎本件に関するお問い合わせ先:
AGC株式会社 広報・IR部長 玉城 和美
担当:中尾
TEL: 03-3218-5603
E-mail: info-pr@agc.com