AGC横浜テクニカルセンター(旧京浜工場)

新研究棟イメージ図

新研究棟イメージ図

AGC横浜テクニカルセンター(旧京浜工場)は、京浜臨海工業地帯の中核地、横浜・鶴見で1916年に操業を開始しました。
以来、祖業の様々なガラスの先端製造拠点として操業を継続してきました。
2020年に新研究棟を新設し、AGC横浜テクニカルセンターに名称を変更。
旧中央研究所(横浜市神奈川区)に分散していた機能を統合し、他の企業や研究機関との協創(コラボレーション)をシームレスに行うAGCの研究・開発の中核拠点となりました。
今後、ライフサイエンス事業の拡大も予定されており、研究・開発から複数事業の製造までを担うAGCグループの最重要拠点のひとつとして位置づけられています。

所在地/〒230-0045 神奈川県横浜市鶴見区末広町一丁目1番地

操業開始年/1916年(大正5年)
代表者/峯 伸也
従業員数/1738名(2023年12月末現在)
主な事業内容/研究開発および建築用板ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラスの製造

環境パフォーマンスデータ

  2019 2020 2021 2022 2023
大気 GHG排出量
(千トン)
86 85 93 81 81
NOx
(トン)
97 108 86 93 63
SOx
(トン)
1 0 0 0 1
ばいじん
(トン)
1 1 1 1 1
水質 総排水量
(千m3
1,119 1,058 1,398 1,432 1,370
COD
(トン)
3 3 5 5 0
廃棄物 最終処分量(トン) 0 0 0 0 0

休業災害度数率

2019 2020 2021 2022 2023
0.95 0.26 0.23 0.24 0.49
  • 集計対象者は、事業所で働くすべての人(AGC従業員+協力会社従業員)です

TOPIC

気候変動への対応

サステナブルな環境活動を目指し、再エネ、省エネにチャレンジ

全酸素燃焼法の仕組み
全酸素燃焼法の仕組み

AGC横浜テクニカルセンターは、1998年に国内のガラス業界で初めてISO14001の認証を取得し、2004年のAGCグループ統合認証化を経て、現在、ISO14001:2015に基づいた運用管理により、サステナブルな視点での環境活動に取り組んでいます。
廃棄物の削減については拠点全体で3R活動(Reduce、Reuse、Recycle)に取り組み、優良事例の横展開などを実施した結果、2009年にリサイクル率100%を達成し現在でも継続しています。

また、歴史のある板ガラス製造ラインとして、2001年には日本初の「全酸素燃焼法」を導入することにより、環境負荷の削減とCO2排出削減を行ないました。これは、燃料を酸素だけで燃焼させるので、燃焼に必要のない空気中の窒素を加熱せずに済むため、エネルギー効率が高まるとともに、NOxの発生を非常に少なくすることができます。導入前に比べてNOx排出量を30%、CO2排出量を30%削減しています。

省エネ活動では、その他に、不要な照明消灯やエアコンの温度設定などの一般的な施策はもちろん、蛍光灯や水銀灯のLED化、さまざまな設備におけるモーターのインバーター制御化、稼働状況の変化に応じた不要設備の停止など、One Team 横浜を唱えて拠点全体でアイデアを出し合って省エネに取り組んでいます。特に、LED化に関しては、昨今の水銀事情、PCB処理事情も併せて環境負荷の観点からも考慮して加速化し、2021年には100%LED化を目指しています。

代表挨拶をする神田工場長(当時)
代表挨拶をする神田工場長(当時)

これらの省エネの活動成果として、横浜市より「2017年度ヨコハマ温暖化対策賞」を受賞しました。この賞は大幅な温室効果ガス排出量の削減など顕著な実績をあげた事業者を表彰する制度です。AGC横浜テクニカルセンターでは、研磨工程の見直しや蒸気ロスの改善などの積み上げにより、表彰された15事業場の中で最も削減量が多かったことから、表彰式において受賞者代表として神田工場長(当時)が挨拶をさせていただきました。

労働安全衛生

労働安全衛生マネジメントのもと、労働災害防止に努める

危険体感研修の様子
危険体感研修の様子

AGC横浜テクニカルセンターは、2000年に労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001)の認証を取得し、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを効果的に回すことで労働災害防止に努めています。また、このマネジメントシステムの有効性を高めるために、リスクアセスメントのレベルを向上させる取り組みを行っています。具体的には、安全中核要員やOHSMS推進員がトレーナーとなり、製造現場第一線級の従業員に対してリスクアセスメント教育を実施したほか、拠点全体でリスク低減活動に取り組み重大リスクの低減を進めています。

さらに、従業員の労働安全衛生教育の一環として危険体感研修を行っています。この研修は、回転物への挟まれ・巻き込まれ、感電などの労働災害を自ら疑似体験することで、安全意識を高め、労働災害に結び付く行動をなくすことを目的としています。

熱中症予防セミナーを開催

熱中症セミナーの様子
熱中症セミナーの様子
救命法講習会の様子
救命法講習会の様子

AGC横浜テクニカルセンターでは、以前のように暑熱職場で働く従業員は少なくなり、試験開発に従事する従業員が多くなってきていますが、夏場の各作業場は暑く、熱中症対策の一環として同拠点で働く従業員全員を対象に熱中症予防セミナーを行っています。具体的には、熱中症の症状や予防策などをテーマとして毎年3~4回開催。200名以上が参加し、従業員の熱中症に対する意識向上を図っているほか、熱中症の危険がある日には、場内一斉放送で注意喚起を行っています。

また、応急処置の救命法の講習会を毎年実施し、AEDの使用方法を習得しています。

社会貢献活動

近隣小学校へのガラス授業・工場見学を実施

ガラス破壊実験の講師を担当する従業員
ガラス破壊実験の講師を担当する従業員
工場見学の様子
工場見学の様子

2016年のAGC横浜テクニカルセンター創業100周年をきっかけに、ガラスの授業・工場見学を毎年実施しており、2019年は10月と11月に実施しました。

防火用の網入りガラスや視界を遮る型板ガラスを生産し続ける歴史ある工場として、100年以上にわたりお世話になっている地域の子どもたちに、素材としてのガラスを身近に感じてもらい、そのガラスをAGC横浜テクニカルセンターで作っていることを実感してもらうことを目的としています。

例えば、ガラスの授業では、ガラスの歴史や原料について知ってもらい、さまざまなガラスに触れたり割ったりすることで、ガラスの機能や素材としての可能性について体感してもらいました。

工場見学では、製造現場を直接見てもらうことで、ガラス生産工場のダイナミックさや、働くことの大変さ、やりがいについて考えてもらう良い機会となりました。このイベントには、近隣小学校の5年生が約50名参加しています。子どもたちからは毎年「色々な役割のガラスがあることを知った」「開発の大変さを知った」といったたくさんの感想文が届いています。

この活動は、工場で働く従業員のモチベーション向上にもつながっており、今後も継続的に実施していく予定です。

工場周辺の美化を目指して歩道を清掃

清掃活動の様子
清掃活動の様子

AGC横浜テクニカルセンターは、ISO14001を取得した工場として周辺地域の環境美化に取り組むという方針のもと、1999年から毎月1回工場周辺歩道の清掃活動を行っています。この活動は、毎回約100名が参加する大規模なものであり、今では工場の行事として定着しました。空き缶などのゴミ拾いを通じて周辺地域の環境美化を推進するとともに、参加者が拾ったゴミを率先して分別するなど、従業員の環境意識向上にもつながっています。