1997年05月22日

平成9年3月期業績概況 次期見通し並びに配当政策

1.当期業績の概況

 当期のわが国経済は、民間設備投資が底堅く推移し、住宅投資も高水準を維持するなど、緩やかな回復過程をたどりましたが、個人消費の足踏み、本年初来の株価の下落等もありましたので、本格的な回復感に乏しいまま推移しました。
 当社は、このような状況の下で、拡大均衡に向けた国内外の事業基盤の強化を図るとともに、懸命な販売活動を展開し、経営各般にわたる徹底した効率化・合理化施策を推進した結果、当期の当社単独の業績は、

 売上高 : 9,031億5,700万円余(前期比0,3%減)
 経常利益:  302億9,500万円余(前期比4.7%増)
 当期利益:  190億3,200万円余(前期比3.9%増)

と、売上高はほぼ前期並で、収益面は金融収支の改善もあり増益になりました。

○ガラス・建材部門
 板ガラス・建材関係については、住宅向けの、省エネルギー効果に優れた複層ガラスや窯業系防火外壁材が売上げを伸ばし、また、プラント輸出の増加もあり、全体の売上高は前期を上回りました。
 加工ガラス関係については、需要の大半を占める自動車向けが、国内自動車生産台数の増加により好調に推移し、売上高は前期を上回りました。
 ガラスバルブ関係については、輸出環境の好転に加え、大型テレビ用が順調に推移し、売上高は前期を上回りました。
 以上の結果、ガラス・建材部門全体の売上高は、前期比6.4%増の4,725億3,300万円余(総売上高に対し、52.3%)となりました。

○化学部門
 化学製品については、医農薬中間体やフッ素樹脂が売上げを伸ばしたものの、苛性ソーダをはじめとするアルカリ系製品の減少に加え、塩化ビニール等の価格低迷により、全体の売上高は、前期比7.5%減の3,106億5,200万円余(総売上高に対し、34.4%)となりました。

○セラミックス部門
 セラミックス製品については、電鋳煉瓦が輸出向けを中心に好調を持続しましたが、国内販売が低迷しましたので、売上高は、前期比0.5%減の248億2,400万円余(総売上高に対し、2.7%)となりました。

○電子部門
 電子関連製品については、半導体製造装置用部材及び液晶用ガラス基板が好調だったものの、大口プラントが減少しましたので、全体の売上高は、前期比4.5%減の730億3,600万円余(総売上高に対し、8.1%)となりました。

○その他
 健康機器等については、売上高は、前期比8.7%減の221億1,000万円余(総売上高に対し、2.5%)となりました。

2.次期の見通し

 今後の日本経済については、景気は緩やかな回復を続けるものと期待されていますが、税負担増等の影響による個人消費の停滞が懸念されており、また、民間設備投資の先行き、構造的な金融不安、為替相場の変動等不透明材料も多く、当面予断を許さない状況が続くものと思われます。
 このような状況の下、当社は本年9月8日に創立90周年を迎えます。本年を21世紀において繁栄を続けるための重要なステップと位置づけ、「企業体質の強化と業績の拡大」、「エキサイティングな企業風土の実現」をスローガンとして展開している「チャレンジ'97」キャンペーンを通じ、将来を見据えた次のような重点施策を実施して行きます。

 (1)経営資源を重点配分することにより、当社の中核となりうる新規事業、新商品の開発・育成を推進する。
 (2)国内外の事業を一体化させたグローバルな連結経営体制の整備・充実を進め、当社グループの総合力、収益力を高める。
 (3)事業活動全般にわたる品質管理体制を万全なものとするとともに、絶えず変化する市場のニーズに的確に対応し、販売力を一層強化する。

 以上の諸施策を着実に展開することにより、企業体質をより強固なものとし、事業の拡大・発展に努めます。
 次期(平成9年4月1日~平成10年3月31日)の業績は、次のような見込みです。

売上高 : 9,100億円(前期比0.8%増)
経常利益:   320億円(前期比5.6%増)
当期利益:   200億円(前期比5.1%増)

3.配当政策

 当社は、株主に対する配当額の決定を、経営上の重要課題の一つと位置づけており、その決定に当たっては、安定配当を基本に、業績と配当性向等を総合的に勘案しております。
 当期は、既に1株当たり4円50銭の中間配当を実施しましたが、期末配当金も中間期と同様、1株当たり4円50銭とします。
 これにより、中間配当を含めた当期の配当金は、1株当たり9円となり、配当性向は55.6%、株主資本配当率は1.9%となります。
 内部留保については、中長期的な経営基盤の強化に向けて、新技術・新製品の研究開発、製造設備の新増設・合理化投資、海外投資等に充当し、一層の収益力の向上、事業の拡大に努めることにします。
 なお、次期の配当金につきましては、当社創立90周年を迎えますので、記念配当1円を加えまして年間1株当たり10円を予定しています。

この他に下記の内容もご覧頂けます。
貸借対照表
損益計算書
会計方針・利益処分案
売上高の内訳
有価証券の時価等
デリバティブ取引の契約額等、時価及び評価損益
役員の異動(6月27日付)

決算短信

以 上