人的資本

AGCの人的資本経営「人財のAGC」

 企業理念“Look Beyond” に掲げる「私たちのパーパス」の実現に取り組み、持続的な企業成長を可能にしているのがAGCの多様な人財です。

「人財のAGC」

●風通しの良さ・チャレンジ・主体性を重視する企業文化をより一層醸成・浸透させ、多様な人財の強み・個性を引き出し、主体的な学びと成長を支援する。

●成長する個々人からなるエンゲージメントの高い組織が、社内外の連携も活用して、知の化学反応と現場力の強化を促進し、企業価値を向上させる。

AGCの企業文化

人財マネジメント

基本的な考え方

 AGCグループは、真のグローバル企業として発展し続けるための人財マネジメントのあるべき姿を“7 Key Principles for People”として定めています。

マネジメント体制

 AGCグループは、人事部門が主体となり、人財マネジメントのあるべき姿を定めた“7 Key Principles for People”に則った人財マネジメントを進めています。
 各国・地域の労働法令・慣行や従業員の意識も踏まえ、各カンパニー、各地域の人事担当者と連携しながら、各種の施策に取り組んでいます。

AGCグループの取り組み

「グローバルリーダー」の育成

AGCグループでは、将来リーダーとしてグループを牽引する経営人財を計画的に育成するために、相応しい人財を国籍や性別などに関係なく世界各地から見いだし、グローバルレベルおよび各国・地域で、多様なリーダー人財の育成に取り組んでいます。
 加えて、各事業、地域の現状に即して、本国以外での勤務やプロジェクトなどへの参画、グループワイドでの実習・研修を開催しています。
 2020年から2022年にかけては、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、一部中止したものもありましたが、オンライン上での実施も含め、グローバルレベルおよび事業を展開する全ての国・地域で、将来グループや各部門・各社の経営を担うことが期待される人財を対象としたプログラムを開講しました。

AGCグループ経営人財育成プログラム体系

AGCグループ経営人財育成プログラム体系

ダイバーシティ(多様性)推進

基本的な考え方

 ダイバーシティはAGCグループビジョン “Look Beyond” における4 つの価値観の一つであり、AGCグループの土台であると同時に、競争優位の源泉です。多様な人財を活かす、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげる経営を目指しています。 AGC グループでは、性別、年齢、人種や国籍、ハンディキャップの有無、性的志向・性自認、宗教・信条、価値観などの多様性だけでなく、キャリアや経験、働き方などの多様性も積極的に力に変えていくため、「エクイティ(公平性)」「インクルージョン(包括性)」という要素も大切にしながら、多様な人財が働きやすい制度・環境の実現に努めています。

AGCにおけるDE&Iの定義

【Diversity】ダイバーシティ(多様性)とは、年齢、性別、民族、宗教、障がいや疾病、性自認や性的指向、教育、国籍など、個々の違いを尊重し、価値を評価し、生かすことで人々に力を与えることです。
【Equity】エクイティ(公平性)とは、メンバーが成功・成長するためにそれぞれに固有のサポートを提供することを目指します。
【Inclusion】インクルージョン(包括性)とは、メンバー一人ひとりのアイデア、知識、スタイル、アプローチ、視点を積極的に取り入れて、ビジネスの成功やメンバーのウェルビーイングを最大化する取り組みです。

マネジメント体制

 AGCグループでは、多様な人財が、個々人の能力を最大限に生かす環境を整備するため、2022年にCEOを議長とするダイバーシティ・カウンシルを設置しました。半年に一度、このダイバーシティ・カウンシルで、部門横断的に情報共有、議論をしながら、主に「風土づくり」「採用」「人財育成」「働く職場環境の整備」の4つのアプローチで具体的な施策を進めています。

AGCグループの取り組み

多様な人財の採用

 AGCグループでは、グローバル採用ブランディングの強化を目的に、EVP(Employee Value Proposition:企業が従業員に与える価値)を策定し、共通フレーズ「Make Your Mark Every Day」の下、そのコンセプトに基づいた一貫した採用ブランドメッセージを発信しています。
 さらに、事業戦略上の重要地域であるアジアパシフィック地域では、新事業・新市場開拓を加速するため、2013年にシンガポールに地域統括会社AGCアジアパシフィック社を設立し、国籍にかかわらず域内外の意欲・能力の高い人財を採用しています。

従業員教育

従業員エンゲージメント向上

基本的な考え方

 AGCグループは、「人財のAGC」として、多様な個々人が力を発揮し、エンゲージメント高く企業価値の向上に貢献できる組織風土の醸成に取り組んでいます。エンゲージメントは、「意欲高く働く個人」と「より良い組織風土を醸成する会社」が一体となって共に成長し高め合うものであり、従業員とマネジメント(管理職)、さらに経営陣がさまざまな「対話」を通して問題解決の方法を共に考え、施策につなげています。また、その考え方や活動を日々の仕事の中に織り込んでいく取り組みも行っています。

グループ全体の取り組み

エンゲージメント調査

 AGCグループでは、エンゲージメント向上に当たり、2005年から国内外のグループ会社従業員を対象とした「エンゲージメント調査」を3年ごとに実施しています。調査結果を基に各部門・職場で必要な施策を決定・実行しており、施策の効果を次回の調査で確認しています。
 直近では2022年9月に7回目の調査を約50,000名を対象に24言語で実施しました。前回調査(2019年)と比べて肯定的回答率が上昇し、各部門・職場による施策の効果が表れました。その後、2022年調査の結果を踏まえ、職場の課題について話し合い、課題解決に向けたさまざまな施策を展開しています。施策の効果は、年次の簡易調査で確認しながら、継続的なエンゲージメント向上活動に取り組んでいます。

AGCグループCEO表彰制度

 AGCグループでは、従業員が互いを尊重し、その成果と努力を称賛し合う組織風土づくりを目的に、「AGCグループCEO表彰制度」を毎年実施しています。世界中からノミネートされた案件から、AGCの4つの価値観を体現した最大42件をAGC Group CEO賞として表彰(2023年度は41件)、その中から最も優れた取り組みに Look Beyond 賞を授与します。表彰された活動は社内ポータルサイトで情報共有し、日本・アジア、欧州、米州それぞれの地域で表彰式を開催しています。また、従業員がより高いモチベーションを保つことができるよう定期的に認知・称賛方法を見直しています。

ワークライフバランス

基本的な考え方

 AGCグループは、人財マネジメントのあるべき姿を定めた “7 Key Principles for People”で「安心して働ける職場環境の維持」を掲げています。この考え方の下、従業員が活き活きと働ける職場環境の確保・整備に継続的に取り組んでいます。

マネジメント体制

 AAGCグループでは、人事部門が主体となってワークライフバランスの確保に取り組んでいます。また、各国・各地域の法規制や慣行を踏まえ、グループ各社の事業形態などと照らし合わせながら、各社が取り組んでいます。

快適な職場づくり

基本的な考え方

 AGCグループでは、「AGCグループ労働安全衛生方針」に基づき、労働安全衛生活動を通じて、快適な職場環境の形成を進めています。また、「AGC健康宣言」を制定し、従業員の健康維持・増進に取り組んでいます。

AGC健康宣言

マネジメント体制

関係部門が連携して労働衛生を管理

 AGCグループでは、「AGCグループ労働安全衛生方針」および「AGC健康宣言」に基づき、快適な職場づくりのための施策「健康経営」を代表取締役 兼 副社長執行役員を最高推進責任者とし、統括産業医を任命・配属の上、関係部署が連携して推進しています。また、2020 年度からは労働組合と「労使健康コミュニケーション」を定期的に開催し、従業員の労働衛生や健康に関する課題の特定や対策について意見交換をしています。

関係部門が連携して労働衛生を管理

労働安全衛生

基本的な考え方

 AGCグループは、「AGCグループEHSQ基本方針」および「AGC グループ労働安全衛生方針」を制定し、サステナブルな社会の実現に貢献するとともに継続的に成長・進化するため、グループビジョン “Look Beyond” を追求し、事業活動の前提としてEHSQ(環境・保安防災・労働安全衛生・品質)に取り組みます。

労働安全衛生管理体制

 AGCグループの労働安全衛生に関する方針や施策は、常務執行役員環境安全品質本部長を委員長とする「AGCグループEHS委員会」を経てAGCグループCEOが委員長を務める「サステナビリティ委員会」において審議、決定されます。「サステナビリティ委員会」の内容は、取締役会へ報告しています。また、マテリアリティに基づく重要案件については、「サステナビリティ委員会」で審議・決定の上、取締役会で審議・決議されます。

労働安全衛生管理体制

マネジメント体制

 AGCグループは、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)の考え方を基本として安全衛生活動を推進しています。
 2013 年からは「EHSQマネジメントシステム」を構築し、EHSQ(環境・保安防災・労働安全衛生・品質)に関する取り組みをグループ全体で統合的にマネジメントしています。また、ISO45001の考え方を基軸にAGCグループが行うべき労働安全衛生マネジメントの内容を「AGCグループ労働安全衛生規則」として定め、各カンパニー・SBUを通じてグローバルに適用しています。
 各拠点ではOHSMSの仕組みに基づいて活動を行い、 2021年からはOHSMS自己診断システム(Audit Module)を導入してOHSMSの構築および運用状況をモニタリングしブラッシュアップに努めています。コーポレート部門や各事業部門が実施する監査を通じて、安全衛生管理レベルの向上に努めています。さらに、労働安全衛生リスクが大きな組織および拠点については、OHSMS第三者認証の取得にも努めています。
 事業部門単位では個別の方針・施策を検討し、施策の進捗状況をEHSQマネジメントレビューなどにより報告するとともに、継続的な改善活動を行っています。