AGC Research Report 73(2023)

Evaluation of impedance of graphene with various tuned electrical properties from 1 to 50 GHz

異なる電気特性を有する種々グラフェンの 1-5 0 GHzにおけるインピーダンス評価

奥田崚太*・庭野和彦*・須賀良介**・渡辺剛志**・黄 信二**
Ryota Okuda, Kazuhiko Niwano, Ryosuke Suga, Takeshi Watanabe, and Shinji Koh

*AGC株式会社 材料融合研究所(ryota.okuda@agc.com)
**青山学院大学 理工学部 電気電子工学科

 グラフェンは可視域において透明かつユニークなバンド構造を有する半導体として、様々なデバイスへの応用が研究されており、近年ではCuやAgといった金属の代替材料としてミリ波デバイスへの活用も期待されている。一般的に、グラフェンは金属と比較して優れた透明性を持つ反面、キャリア密度が低い為に導電性に劣る。これはミリ波デバイスへの応用において課題となりえる。その為、最近ではグラフェンの多層化やキャリアドーピングなどの方法を用いた低抵抗化を目指した研究が多く行われている。しかし、この様なグラフェンへの電気特性のチューニングが高周波対応デバイスの特性に及ぼす影響を示した報告は限られている。

 本研究では、コプレーナ―伝送路(CPW)の一部に単層(SL)、三層(3L)、およびP型のキャリアドープを施した3Lグラフェンを適用し、1-50GHzの周波数帯における伝送特性(S21)を測定した。さらに、当該CPWの等価回路モデルを構築し、シミュレーションを実施。測定結果と良好な一致することを確認した。この結果から、グラフェンの伝送特性、給電部のAu電極とグラフェン間の接触抵抗といった等価回路モデルのインピーダンスを導出。電気特性の異なる種々のグラフェンを比較することで、グラフェンの伝送特性の支配因子を明らかにした。

 Graphene has been researched as a transparent conductive film for various devices, displaying potential use in millimeter-wave devices for 5G technology. Although graphene possesses excellent transparency, its carrier concentration is lower than that of metals, leading to high electrical resistance. This presents a challenge for its use in millimeter-wave devices. Recently, there is been extensive research to replace metals with graphene that still maintains transparency. Different studies have tried to achieve low resistance through methods like multilayering and carrier doping. However, few studies have measured and clarified the effects of these approaches on devices designed for applications in the millimeter wave band. In this study, we applied single-layer, triple-layer(3L), and P-type doped 3L graphene to coplanar waveguide(CPW)transmission lines of practical sizes. We recorded transmission characteristics from 1 to 50GHz, covering the frequency bands operated for 5G technology. We also constructed an equivalent circuit model of the CPW used in the measurements and conducted simulations. The simulations aligned well with the measured results, validating the transmission properties of graphene and its contact impedance with electrodes in CPW circuits. By comparing the transmission loss of various graphene types, we identified parameters to improve transmission characteristics.

1. 緒言

 高速、大容量、低遅延の通信規格である第5世代移動通信システム(5G)は、指向性の高いミリ波帯の周波数を使用する為、これまで以上にアンテナの設置エリアの増加が必要となる。近年、ビルの窓やマンホールなど、これまでに実績の無いエリアへの実装も始まっている。こうした状況の中で透明かつ導電性を有する材料は、外観を損なわず、様々なデバイスや場所へ実装できることから、上記アンテナの電極として研究対象となっている1-3。透明かつユニークなバンド構造、高いキャリア移動度を有するグラフェンはその候補材料のひとつとして挙げられる。CuやAg等の金属材料は可視光を透過させる為に微細なメッシュ化処理が必要であり、モアレなどの光学的な干渉が起こり得る。また、透明導電膜として代表的なITOは導電性を上げる為に高温処理が必要であり、膜を担持する基材の材料に制約が生じる。それらの点において透明かつ様々な基材へ転写が可能なグラフェンは既存材料の代替となり得るポテンシャルを有する。一方で、グラフェンは優れた透明性を有する半面、金属に比べるとキャリア密度が低く、導電性に劣る。これはミリ波デバイスへの応用において課題となりえる。最近では、グラフェンの透明性を維持しつつ金属同等の導電性を達成すべく、多層化4-5やキャリアドーピングなど様々なアプローチがなされており、20Ω/□まで低抵抗化した先行例も存在する6。しかし、この様なグラフェンへの電気特性のチューニングが高周波対応デバイスの特性に及ぼす影響を示した報告は決して多くない。本研究では、単層(SL graphene)、三層(3L graphene)、さらにP型のキャリアドープを採用した三層(P-type doped 3L graphene)の3パターンのグラフェンを合成、これらのグラフェンをコプレーナウェーブガイド(CPW)に適用して、1から50GHzの周波数帯域における伝送特性(S21)を測定した。さらに、測定に使用したCPWの等価回路モデルを構築し、シミュレーションを実施。実測結果と同等の伝送特性が得られることを確認した。この結果から、グラフェンの伝送特性、給電部のAu電極とグラフェン間の接触抵抗といった等価回路モデルを構築する各インピーダンスを導出。電気特性の異なる種々のグラフェンを比較することで、グラフェンの伝送特性の支配因子を明らかにした。

2. 実験方法

2.1. グラフェン合成およびデバイス作成

 グラフェンの合成手順をFig.1に示す。CVD法によりH2(20sccm)およびCH4(2sccm)雰囲気下にて、1000℃で30分間加熱をすることで、銅箔上に単層のグラフェンを合成した。グラフェンを担持する為のポリメタクリル酸メチル(PMMA)を製膜したのち、硝酸鉄水溶液(0.5M)に浸漬させることで、Cu箔をエッチングし、単層グラフェン(SL graphene)/ PMMAの積層体を得た。これを石英基板へ転写することでサンプルを製作した。また、三層 の3L grapheneを製作する際には、単層グラフェン/ PMMAを、新たに合成した単層グラフェンへ転写する工程を繰り返すことでサンプルを得た。このプロセスではグラフェンの配向は任意に転写されるため、本検証で用いた3L grapheneの層間の配向は不規則な乱層積層となる。この乱層積層構造では、グラフェン間の相互作用が弱い為に、キャリア移動度の上昇が報告されており、高い導電性の発現に期待が持てる7

 また、3L grapheneには、キャリアドープの効果を確認するため、(Bis(trifluoromethanesulfonyl) amine)(以下TFSA)の1-butanol溶液(50mM)をスピンコートすることでP型のキャリアドープサンプル(P-type doped graphene)を得た。

Fig.1 Fabrication process of CVD graphene on quartz.

2.2. 評価方法

 種々のグラフェンの電気特性は、ホール効果測定によって取得した。グラフェン上にAuを蒸着し、フォトリソグラフィーによってホールバーを形成(Fig.2(a))、Van der Pauw法により、各グラフェンのホール効果測定を実施した(Fig.2(b))。

Fig.2(a)Design and(b)image of Hall effect measurement.

 グラフェンの伝送特性の評価は、CPWにグラフェンを導入したデバイス(Fig.3(a))によって実施した。今回用いたCPWは信号線の中央一部がグラフェンのチャネルとなっており、グラフェン単体の伝送特性を評価することができる設計とした。このCPWも、ホール効果測定と同様、Au蒸着及びフォトリソグラフィーによって製作した(Fig.3(b))。得られたCPWは、プローブ測定(Form Factor, |Z| Probe)によって評価を実施(Fig.3(c))。ネットワークアナライザー(Keysight Technologies, E8361A)に接続し、1-50GHzまでの伝送特性を評価した(Fig.3(d))。また、各グラフェンの光学特性はラマン分光測定(WITec, alpha300-UHTS 300)および紫外可視分光測定(日本分光株式会社、V-770 EX)によって評価を行った。

Fig.3(a)Design and(b)optical microscope image of CPWs.(c)Measurement system.(d)Probe measu rement area.

3. 結果と考察

3.1. 光学特性

 Fig.4(a), (b)に3L grapheneおよびP-type doped3L grapheneのラマンスペクトルを示す。

Fig.4(a)Raman shift of 3L graphene(blue)and P-type doped 3L graphene(red)of 2D,(b)G peaks.

 1580cm-1付近にグラフェンの平面内運動に由来するGピークと、2700cm-1に二次フォノン散乱に起因する確認できる。グラフェンはラマンスペクトルの 2DピークとGピークの強度比(I2D / IG)から、グラフェン間の相互作用を評価することができる。今回得られたサンプルはI2D/IG=2.0であり、乱層積層構造であると解釈することができる8。また、Gピークは3L grapheneに対し、P-type doped 3L grapheneは 10cm-1程シフトしていることが分かる。これは、TFSAのドーピングによるグラフェンの面内運動の変調を支持するものであり、狙い通りにキャリアドーピングができていることを確認した9

 また、Fig.5に示す通り、いずれのグラフェンも可視光領域で高い透明性を示していることが分かる。

Fig.5 Optical properties of SL graphene(green), 3L graphene(bule)and P-type doped 3L graphene(red).

 なお、SL grapheneと比較して3L grapheneの透過率が約5%低下しているが、これはグラフェンが1層で約2.3%可視光を吸収する為、SL grapheneと3L grapheneの透過率の差は主にグラフェンの吸光によるものと考察する。また、P-type doped 3L grapheneも、3L grapheneと同等な透明性を保持している。これはP型のドーパントであるTFSAによりグラフェンのフェルミ準位が下がり、光励起による電子のバント間遷移に必要な励起エネルギーが増加する為、可視域において光学特性に影響なくキャリア密度を上げられることを示している。

3.2. 電気特性

 Table 1に各種グラフェンのホール効果測定結果を示す。キャリア移動度はSL grapheneと比較し、3L grapheneの方が高い。これは、多層化に伴い、石英基板からのリモートフォノン散乱の影響が抑制されているためである。また、TFSAドープを行うことで、キャリア移動度は低下する傾向がみられるが、キャリア密度が一桁向上することが分かる。ここで、物質の導電性(σ)はσ=neμの式で決めることができる。なお、nはキャリア密度、eは電荷素量、μはキャリア移動度である。その為、P-type doped 3L grapheneはドーピングによるキャリア移動度の低下が生じるが、キャリア密度が大幅に上昇する為、導電性も上昇する。その為、Table 1の種々グラフェンのシート抵抗値(Rsheet)を比較すると、SL > 3L > P-type doped 3Lの序列となる。

Table 1 Results of Hall effect measurement of three types of graphene.

3.3. インピーダンス特性

 各素子のインピーダンス特性を正しく理解するため、評価系を以下の等価回路モデルで扱うこととした(Fig.510。当該等価回路モデルは、プローブをタッチダウンしたAu電極部より、Z0=50Ωの特性インピーダンスとなるCPWの伝送線路、グラフェンとAu電極のコンタクトとして、オーミックコンタクト(Rsheet)とキャパシタンスコンタクト(Ccontact)の並列回路、グラフェンの伝送線路のインピーダンス(Rgraphene)から構成される。なお、当該評価ではプローブのタッチダウンをAu電極の導体端で行うと電極の剥離が頻発したため、約200μm導体端よりオフセットした位置で評価を行った。ターゲットとする50GHzまでの高周波帯において、200μmはスタブとして機能し得る為、等価回路の両端にスタブ素子を設ける設計とした。

Fig.6 Equivalent circuit model of CPW.

 なお、この等価回路モデルはRgraphene部の伝送線路部の周波数依存性は無きものとしている。一般的に Drudeモデルでは、グラフェンのキャリア散乱による伝送線路の周波数依存性を考慮する必要がある。この散乱は指数的な緩和時間τ(0.01-2ps)に従い移動度、フェルミ準位、およびフェルミ速度に依存する11。この緩和時間であるτ = 2psに対応する周波数はω/2π = 5.0 × 1011(500GHz)であることから、抵抗キャパシタは少なくとも500GHzまで一定と扱うことができる11-12。さらに、導体の表皮効果も周波数依存性があるが、一般的なCVDグラフェンの導電性(1.0 × 106S/m)による表皮効果の厚さは1-50GHzで2.5-16μm13となる。これは各グラフェンの膜厚よりもはるかに厚い。その為、グラフェンチャネルの周波数依存性は一定と仮定し等価回路モデルを構築した。また等価回路モデルにおける各素子の電気特性は、Fig.2のホール効果測定とFig.7に示すTransfer length method(TLM)により求めた。

Fig.7 TLM with three types of graphene.

 TLMでは、種々グラフェンとAu電極間の距離に対する抵抗値からなる近似直線から、Rcontactおよびコンタクト時の有効面積(St)を求めることができ14Ccontactは以下の式より導出した。

 ここでCq はグラフェンの量子キャパシタンスを意味し、以下の通り求めることができる15-16

 なお、EFはフェルミエネルギー、VFはフェルミ速度1 x 106m/s、ħはプランク定数である。さらに、EFは以下の式より導出した。

 ここで、nはキャリア密度であり、先のホール効果測定で取得したものを用いた。λは2次元材料であるグラフェンに固有のフィッティングパラメータであり、定数1.1として扱うことができる17

 以上により求めた種々グラフェンの電気特性をTable 2にまとめる。RcontactはグラフェンのRsheetに準じてSL graphene > 3L graphene > P-type doped 3L grapheneの序列となった。

 また、Ccontactは、SL grapheneおよび3L grapheneに対して、P-type doped 3L grapheneが高い値を取ることが分かる。これは、キャリアドープによりnの上昇に伴うCq増加、に起因する。最後に、グラフェンチャネルのインピーダンスであるRgrapheneは先に述べた通り、周波数依存性無きものとして扱うため、各グラフェンのRsheetTable1)から、CPWのサイズに規格化して導出した。

 以上により、Fig.6の等価回路モデルに必要なパラメータを得ることができた。続いて、Fig.3(c)の伝送特性(S21)の実測値と、等価回路モデルによりシミュレートした結果を極座標を用いて比較することとした(Fig.8)。

 なおシミュレーションには平面三次元電磁界シミュレータのSonnet Lite 18.53を用いた。

Table 2 Electrical properties of three types of graphene.

 Fig.8より1-50GHzに渡り、実測値及び計算値の位相及び振幅成分は良く一致していることが分かる。一部振幅成分に実測と計算値でずれが見受けられるが、これは、Table 2の電気特性を取得したサンプルと CPWを形成したサンプルが異なる為のRgrapheneのばらつきと考察する。Fig.8における実測値と計算値の一致は、等価回路モデルおよび、各素子のミリ波帯でのインピーダンスが正確にとらえられていることを支持する。即ち、等価回路モデルにおけるグラフェンの伝送損失に周波数依存性が低いという仮定を裏付ける結果が得られたと考察できる。また、今回評価した3種類のグラフェンを比較すると、多層化、キャリアドーピングにより、振幅成分が増加することが分かる。この結果より、本研究で評価したミリ波帯においては、グラフェンのインピーダンス下げるべく、如何に導電性を高めるかが効率の良いデバイス構築において重要である。

Fig.8 Measured(solid line)and calculated(dashed line) S21 as transmission coefficients for SL graphene(green), 3L graphene(blue), and P-type 3L graphene(red)from 1 to 50GHz. in a Polar chart.

4. 総括

 本研究では異なる電気特性有する種々グラフェンを合成し、光学特性および電気特性を取得した。また、当該グラフェンを加工しCPWを形成し、1-50GHzの周波数帯における伝送特性を実測した。構築した等価回路モデルの伝送特性(S21)が実測結果とよく一致したことから、CPWの各素子のインピーダンスが正確に抽出できていることが支持される。一連の結果により、グラフェンチャネルの伝送特性は本研究で評価したミリ波帯を含む1-50GHzにおいて周波数依存性が低いことが支持されており、如何に導電性を高めるかが伝送特性の支配因子であることが明らかとなった。その為、多層化やキャリドープによる導電性の向上アプローチが有効である。

 今後の展望としては、キャリア移動度の向上による効果や、さらなる高周波帯での評価を検討している。また、種々のグラフェンを用いたアンテナ素子の構築と性能評価を予定しており、グラフェンの物性値とアンテナ性能との相関についての理解をさらに深めていく。

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