共通基盤技術

長年蓄積・深化された共通基盤技術をベースに、高度に洗練された材料技術、材料技術を融合しさらなる高機能化を達成する機能設計、安定的に高品質な製品生産を可能にする生産技術をコア技術として保有しています。またお客様の期待に応える取り組み、素材利用の提案を通じて培った、各種素材を部材に組み上げる部材設計の技術も保有しており、素材の機能を極限まで引き出します。

分析・評価

製品や製造プロセスに使われている部材の構造や物性などを分析・評価するには、常に技術を磨き、手法の完成度を高めることはもちろん、革新技術を開発し、適用していくことも大切です。ときには、世界に類のない独自の分析・評価法の開発が、お客様に喜んで頂ける製品品質・信頼性や新製品につながるなど、この技術の重要性は増しています。AGCは、必要な分析・評価法を開発・拡充・伝承するなかで、確固たる技術基盤を築いてきました。近年では、オープンイノベーションを通じた協働的な先端技術開発・深化により、将来を見据えた尖った技術の獲得と共に、人財の育成にも注力しています。

分析実験室
分析実験室
分析装置
分析装置

シミュレーション

約50年前に始めた溶解窯内のガラス流れの再現を皮切りに、プロセスシミュレーションから得られた知見を、品質向上や生産性向上に活かしてきました。こうしたマクロな視点での解析に加え、材料シミュレーションを通じた原子レベルでの現象理解により、様々な材料で組成・構造設計の方向性を明確化しています。更に、異種材料を組み合わせた複合材のニーズも高まっていることから、それぞれの材料の特性と複合材の構造をもとにした複合シミュレーションで機能を設計することにより、早期の設計段階からお客様との協創に努めています。近年は、マテリアルズ・インフォマティクス・量子コンピュータ・クラウドコンピューティング・最適化計算・データサイエンス・デジタルツインといった最新技術にも取り組み、品質・性能や機能が優れた製品を安定して提供することにも貢献しています。

シミュレーションによる解析

データサイエンス

AGCは、常に業界をリードするデジタルトランスフォーメーション(DX)企業であり続けたいと考えています。そこで、生産プロセスのデジタル化によるスマートファクトリーの推進に加え、マテリアルズ・インフォマティクス、AIやIoT、ビッグデータ解析、AR/VRなど最先端のデジタル技術を活用し、あらゆるビジネスプロセスの変革に取り組んできました。更に、その推進に向けて、業務課題をデータ科学の活用により解決するデータサイエンティストの育成プログラムを通じた人財育成にも力を注いでいます。素材開発、生産、販売、物流などの業務知識を有する人財が高度なデータ解析スキルを身に付けることで、DXによって競争優位性を築き、お客様や社会への新たな付加価値の提供に貢献し続けます。

ガラス充填最適化AI(異なるサイズのガラスを効率的に詰め込むAI)
ガラス充填最適化AI
(異なるサイズのガラスを効率的に詰め込むAI)
社内育成研修
社内育成研修

センシング

生産工程から、価値のあるデータを自動的に取得する技術です。品質と生産プロセスにとって、真に価値のあるデータは何かという視点を大切にしています。AGCのコア事業と戦略事業の製品開発や生産活動に関わり、工程の現象や製品の特性・形状などを知るための要素技術開発と設備技術開発を行っています。特に、透明で平坦なガラスに要求される品質を追求し、高温など計測に適さない環境下にある製造プロセスに適用可能なセンシング技術を研究・開発しています。また、光学技術・情報処理技術を応用し、工程の数値化や品質評価に寄与するシステム(測定設備・アルゴリズム・ソフトウェア)を提案しています。実生産ラインにこうしたシステムを導入し、システムから得られるデータの解析を通じて生産プロセスのソリューションを提案することで、多くの成果を獲得しています。

計測難易度の高い高温環境(ガラス溶解窯内部)
計測難易度の高い高温環境
(ガラス溶解窯内部)

プラントエンジニアリング

社内にエンジニアリング部門を保有し、AGCのコア事業と戦略事業における、プロセスに入り込んだ生産システム(プロセス+設備)の開発・設計から量産プラントの建設を対象に、計画・設計・調達~工事・立上げまでを一貫して担当しています。世に無い装置は、自分達で設計も行います。過酷な環境及び長期間連続で稼働する設備も多く、部材選定、装置設計からメンテナンス方法に至るまで、高度な技術を開発、蓄積してきました。高まる要求品質はもとより、環境負荷低減にも応えるためにエンジニアリング技術の深化を継続し、高性能で高品質な製品を低環境負荷で提供することに貢献しています。

大規模ガラスプラント建設
大規模ガラスプラント建設

スマートファクトリ―

AGCでは様々なデジタル技術を用いて生産現場のデータを解析・活用し、生産現場に革新を起こすことを目指しています。
例えば

  • 生産設備をシミュレーション上で事前検討することで完成度を高める
  • 生産設備のデータを収集・分析し、故障の事前予測をすることで安定操業を実現する
  • ロボット技術を駆使して、従来人が行っていた危険作業や単純作業を削減する
  • 遠隔地から生産設備のサポートを行う

など様々な技術を活用することにより、製造現場で起きていることをデジタルデータで一元管理・可視化し、1つの工場の成功事例や失敗事例を他の工場とリアルタイムで共有することにより、最適な生産状態をスピーディーに創り出しています。このような生産現場での革新が、迅速な新製品の量産化、高品質・低コストでの製品提供を実現し、AGCの競争力の強化につながっています。少子化、技能伝承、働き方の多様化など、現代社会が抱える課題の解決に向けて、スマートファクトリーへの取り組みをますます進化させていきます。

AGCが目指す生産領域のDX
AGCが目指す生産領域のDX