AGCのガラス事業は、建築用窓ガラス、自動車用窓ガラスから始まりました。その後、液晶･有機ELなどのフラットパネルディスプレイ用ガラスやスマートフォン用のカバーガラス、イメージセンサーなどに用いられる光学部材用ガラス、半導体プロセスに用いられるガラス基板、電子部材用ガラス、イオン電池の固体電解質用ガラスなど、応用分野は様々な領域へ拡大しています。こうしたニーズに応えるため、AGCはガラスの組成設計技術を常に深化させています。また、ガラスの原子レベルの構造を、高度な分析技術やシミュレーション技術を駆使して解析しており、ガラス構造に着目した新たな特性の創出にも取り組んでいます。更に、生産技術開発との緊密な連携により、新たに見出した高機能ガラスを短期間で商品化することを目指しています。

AGCは、長年培ってきたセラミックス技術を駆使して、高品位セラミックス炉材などによるガラス生産工程の革新や、地球環境保全に貢献する多彩な製品・ソリューションを提供しています。例えば、高純度炭化ケイ素セラミックスは、高温で使用される半導体製造装置用部材として、30年以上の実績があります。最近は、モバイルデバイスや省エネ製品の普及に伴い、メモリーやパワーデバイス製造用途でも採用されています。更に電子用部材、再生可能エネルギー普及に必要なファインセラミックスなど、幅広い分野で活用されるセラミックス新素材・新商品の提案を目指しています。
無機材料技術では、湿式無機微粒子合成技術を中心に機能性シリカ粒子や電子デバイス用研磨剤、各種電子材料など先端無機製品として事業に貢献しています。ゾルゲル技術、乳化技術、ケイ酸ソーダ技術などを用いて各種機能性材料の設計・合成・解析に取り組み、更には粒子表面の組成・構造制御により、各種機能の付与を目指しています。近年は、有機材料や樹脂との複合化による新たな価値提案や、各種コーティングへの配合による高機能化に向けた検討を精力的に行っており、多様な材料や部材への新機能付与に貢献しています。

AGCの高分子材料は、独自のケミカルチェーンから、ポリエーテルポリオール、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂へと広がってきました。お客様から求められる機能をポリマー設計に落とし込み、精密重合製造技術を確立すると共に、その機能設計にもとづき、フォーム、コーティング剤、エラストマー、接着・シーリング材などの多用途へ展開するために、ポリマー材料の組成化や複合化を制御しています。例えばフッ素化学品には、ETFEをはじめとするテトラフルオロエチレンをキーモノマーとする重合を活用した商品や、CYTOPのような環化重合による完全非晶質な透明フッ素樹脂があり、現在は各種添加剤や他樹脂との配合や複合化も進めています。