コア技術による新製品開発事例

車載ディスプレイカバーガラス(技術要素:A,C,E,G,I,J,K,L)

より安全で快適なモビリティの実現に向けて、AGCは新たなコックピットのUI・UXを提案します。コックピットの一体感を高 め卓越したデザインを実現する「薄型深曲げ大面積ディス プレイ」。ガラスの持つ質感と美観、機能性が融合した 未来のコックピットを実現します。軽く、しなやかで、傷付きにくい化学強化ガラスで、深曲げ形状のディスプレイカバーガラス を実現(A,I,J)。 表面処理により反射やギラツキを抑え視認性を高めると同時に、指紋が 付きにくく滑らかな操作性を実現します(C,E,G,K,L)。AGCはガラスと化学の融合により、 世界に先駆けて製品を開発し、多くの車両で採用が進みトップシェアを誇っています。

センサー向けガラスソリューション(技術要素:A,D,E,G,I,J,M)

自動運転や安全性向上のため、AGCはルーフガラスにLiDAR*1 ユニットを内蔵しシームレスなボディラインを実現するLiDAR用カバーガラスや、ウィンドシールド内側にLiDARと複数のカメラを統合するタイプなど、さまざまなWideye*2LiDARインテグレーションを提案しています。近年大型化が進むルーフガラスを成形加工しLiDARユニットを内蔵するスペースを確保します。同時にウィンドシールドとシームレスに一体化しスマートなボディラインを実現します(A,I,J)。 LiDARユニット搭載部は、近赤外線を透過する窓材を樹脂一体成形しています(D,E,G,M)。長年のお客様との関係からニーズをいち早く把握し、機能とデザインを両立できる素材の会社ならではのソリューションです。
*1 Light Detection and Ranging *2 LiDAR用カバーガラス

次世代アンテナ・アーキテクチャ(技術要素:A,B,E,G,H,J,K)

車をネットワークに常時接続し、確実にデータをやり取りするためには、高性能で信頼性の高い無線通信技術が不可欠です。AGCは次世代のアンテナ・アーキテクチャとして、ルーフガラス内部にアンテナをシームレスに統合させた「アンテナ・システム」等を提案し、安定した通信性能と美しい車体デザインの両立を実現します。これらは、長年にわたるお客様との製品開発を通して培ってきた自動車用アンテナ向けの素材、設計、評価技術(A,B,E,G,H,J,K)の融合によるものです。AGCのアンテナシステムは、5Gや衛星通信(SATCOM)などさまざまなネットワークにシームレスに接続し、車のコネクティビティの可能性を広げています。

全固体電池向け硫化物固体電解質(技術要素:A,B,F,I,L)

AGCは硫化物固体電解質の安定供給を通じて、全固体電池を搭載したxEV(電動車)普及に貢献することを目指しています。エネルギー密度が高く、かつ充電時間も短い 、しかも難燃性の全固体電池(ASSB)が広まることで、安全で、より長距離の走行が可能となり、xEV(電動車)がより利用しやすくなります。 硫化物固体電解質は車載用全固体電池の有力材料とされていますが、化学的に不安定で取り扱いが難しいため、これまで量産が極めて困難でした。AGCはガラスと化学の技術を融合させた他社に真似のできない独自の溶融法を確立し、高品質で多様な組成の電解質を量産可能としました(A,B,F,I,L)。全固体電池を搭載したxEV(電動車)の実用化・普及に大きく貢献します。

EUV露光用フォトマスクブランクス(技術要素:A,B,E,I,J,K)

最先端の半導体チップの微細回路形成は、従来のエキシマーレーザー光(193nm)を用いた露光に比べ、1/10以下の波長の極端紫外光EUV(13.5nm)を用いた反射型のフォトリソグラフィ技術で行われます。そのため、フォトマスクブランクスに求められる精度は一気に10倍の厳しさとなりました。AGCでは、均質かつ熱膨張のほとんどない高純度ガラス材料設計技術と製造プロセス技術(A、I)、フォトマスクブランクス基板作製のための高精度研磨・洗浄技術(B、J)、EUV光を効率よく反射する光学薄膜の設計とそれを実現するコーティング技術(E、K)などの要素技術をそれぞれ高度化し、その複合化により開発に成功しました。

EUV露光用フォトマスクブランクス

半導体チップの回路パターンを微細化し、大容量化、高集積化を実現する
EUV露光用のフォトマスクブランクス

フッ素系電解質ポリマー(技術要素:C,D,F,G,L)

持続可能な地球環境の実現に貢献するエネルギーとして水素の利用が期待されています。そのキーマテリアルがAGCのフッ素系電解質ポリマーFORBLUEシリーズです。
グリーン水素製造に適したフッ素系イオン交換膜FORBLUE Sシリーズを用いれば、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを、水電解により水素に変換し貯蔵、運搬を可能とします。燃料電池用電解質ポリマー溶液FORBLUE iシリーズは燃料電池の電解質膜・電極に用いられ、水素と酸素から効率よく電気エネルギーを生み出し、CO₂を発生しません。これらのフッ素系電解質ポリマーは、AGCのフッ素材料や高分子材料技術(C、D)、電気化学技術(F)、異種材料複合化 技術(G)、化学プロセス技術(L)を複合化して、開発製造されています。

フッ素系電解質ポリマー

持続可能な地球環境の実現に貢献する水素エネルギー利用のキーマテリアル
水電解や燃料電池に用いられるフッ素系電解質ポリマー